土壌分析の基本を 知れば土は見えてくる
土壌分析の基本を 知れば土は見えてくる
土の基本は大きく三つに分けられる。
?物理性質
?化学性質
?生物性質
そんなむずかしい事はどうでもいいと思わないで欲しい。植物を育てるには土壌の性質を知らないとどうにもならない。基本中の基本なのである。基本というのは毎年、くり返し使うという意味である。
基本を知らない為にどれだけの大きな損失をしているかを考えてもらいたい。土壌病害にしても連作障害にしても基本をおろそかにするから出てくるのである。最近は特に農業生産が分業化されて工場生産のような仕組みとなっている。作業を簡素化する事も必要である。ムダな労力は払う必要がない。しかし簡素化していけない所まで簡素化してはいけないのである。例えば肥料作りを他人にまかせるとか育苗を他人にまかせるとかである。他人にまかせても、その内容が充分に把握できていれば問畏はない。お金を出して市販されているようなものを買ってくるようなやり方では簡素化しすぎなのである。
そこで自分でやるにしても、他人にまかせるにしても大事なポイントをしっかりと把握しておく必要がある。土を調べる基本を確認してみましょう。
土を調べる基本は中世のヨーロッパにある。ヨーロッパでは税金を取る為に土壌分析を始めた。肥沃な土地に高い税金、やせた土地には低い税金をかけたのである。その結果、特にドイツでは農業化学が発達した。日本はそのドイツに学んで農業の近代化を始めた。だからチッソ・リン酸・カリなのである。しかし土壌に必要なのはこれだけではない。もう少し大きく、詳しく見る必要がある。
? 土壌のサンプルはそうやってとればいいのか
土壌分析をする場合、サンプルに取り方がある。これはとても重要である。サンプルを取る場所によって、そのほ場を正しく分析できているかどうかが決まる。適当に取ればいいと言うものではない。
◎畑の中心の土を取る。
外界の影響を受けない所を選び出す。周囲の影響がある畑の端の部分では判断を誤ってしまう
◎表面の5mmぐらいの土は捨てる。
上から5mmぐらいはどの土も肥料成分が豊富である。その土を分析しても意味がない。この土は最初から対象外で捨てる。
◎土のサンプルは三段階の漂さで取る。
土のサンプルは0〜10cm、10cm〜20cm、20cm〜30cmと三段階の深さで取る必要がある。表面から10cmぐらいは何の問題もない場合が多い。しかし20cm〜30cmではまるで違う数値が出てくる。びっくりするぐらい違うのである。もっとも大切なのは20cm〜30cmの一番、深い所である。そこに根をはるからである。
◎土のサンプルはいつ取るか。
土のサンプルは収穫後に取る。投入した肥料と使用後の落差を見る為である。どういう成分が主に吸収されているのかがわかる。
分析のためにどれくらいの土のlが必要か。
玉子2個分、約100gというのが基本である。300gもあれば充分である。500gまではいらない。
? 土壌の物理性質
土のサンプルを取る基本の次は性質を調べる基本である。まず物理性質から始める。
◎土の硬さ、やわらかさ
自分でスコップを持ってやるのが一番早い。もちろん使うのは剣先スコップである。毎日入っているほ場だから土の硬さを計測する必要がないと思われるかもしれない。しかし
施設園芸では10cmしかスコップが入らないほ場はザラにある。特に水田の転作ほ場は硬い。
◎気体・液体・個体の三層分布を調べる
理想的な三層分布の状態は固体40%液体30%気体20%である。これを調べるには円筒管を用意して分布状況を把握する方法がある。(この方法はVOL7の「育苗土は自宅で判断できる」に詳しく書いてある。)
◎作土用の厚さ
土の硬さとも関係するが作土層の厚さは何cmかということである。根がはれる深さはどれくらいかと言ってもいい。植物が栄養を吸収できる土の厚さである。もちろん厚い方が収量は出る。
? 土壌の化学的性質
これはいつもやっている事でわかりやすい。
◎ 土のP・H(酸性かアルカリか)
◎ 肥料温度(E・C)
◎ 有効態リン酸の量(100gに10mg〜30mg)
◎ 保肥力(C・E・C)
◎ 交換性 石灰
◎ 交換性 マグネシウム
◎ 交換性 カリ
土壌分析と言えばこの化学性が出てくる。
しかし、これがすべてではない。一部である。全体を見て、化学性の数値が適正であるかどうかを判断する。化学性がいくらよくても作採はまったくダメというのもあり得るのである。(化成肥料でバランスを取った場合)
?生物的性質
これが一番重要なのであるが現在は調整する方法がほとんどない。しかし方法がまったくないわけではない。アメリカで行なわれている最初の方法があるので近々紹介したいと思う。
以上が土壌を調べる基本である。土壌は調べれば調べるほど農業生産が上達するようになる。基本中の基本だからである。
関連記事
- 日本の土壌はもともと米作りしかできない
- おいしい米を作るにはどうすればいいか
- 全面マルチは早くて3年で畑がダメになる
- 健康にもよくて、味のいい作物を栽培する方法
- 微量要素はわずかに多くても過剰害が出る
- カルシウムの過剰は立ち枯れの原因
- 施肥の利用率を高める肥料は半分の量で済む
- 肥料の害もなくなって豊作・豊作で喜び
- 野菜畑の豪雨対策 「排水方法」
- 連作障害は解決できる
- ヨーロッパで土壌分析は税金の事
- 手間賃は時間だけ 自分でできるプロの土壌分析
- 栄養分の吸収
- 50年間施肥を続けると収量は必ず大きく下がる
- 土壌病害には法則がある。土壌還元の法則
- 光合成細菌が硫黄化合物を分解する。ほ場浄化のスグレモノ!
- 放線菌は畑の抗生物質
- 豊作を約束してくれる微生物
- 野菜作りはカルシウムの吸収がもっとも需要
- 土壌の微生物を家庭で見る方法
- 日本の土の特質を知る
- 土はいったいどのようにしてできるのか
- 土の正体がわかれば病害は防げる
- 土って何だろう2
- 土って何だろう?





メールありがとうございます
生徒さんがぼかしの作り方や使い方を覚えたら、
すばらしい技術になりますね。楽しみです。