日本の土壌はもともと米作りしかできない

日本の土壌はもともと米作りしかできない

 日本の土壌はもともとどういう性質の土が多いのだろうか。世界の土と比較して、どこがどのように違うのだろうか。そもそも日本の土壌は何を作るのに適しているのだろうか。

 日本人の先祖はその土壌の性質をどのようにして活用してきたのだろうか。そんな事を考えても意味はないよ。生産力があがるわけでもないし、お金がふえるわけでもない。それはその通りだが、土壌の性質を知ることで得られる大きいものがある。なぜ問題が起こるのか。どうすればいいかという答えが見つかるのである。

 日本の土はほぼ16種類に別けられる。全部を説明しても仕方ないので上位の種類を説明しよう。

?灰色低地土
 農業生産面積の22%を占める。もっとも多く分布する土壌である。稲作に適している。ジャリ(礫岩)を含んでいるため転作をしゃすい。大きな河川の流域にできる土壌である。

?黒ぼく土
 19%の面積を占める。関東平野に広がる火山灰土である。アメリカは日本を占有した後、土壌の調査をした。あまりにも性質が悪すぎてびっくりしたという話がある。関東平野の黒ぼく土は劣悪な不良土なのである。ミネラル分がもともと少ないのに高過多雨でさらに流失してしまっている。しかも強い酸性である。作物を作るにはまったく適していない土壌なのである。

 この土壌をどのようにして改良したのか。知恵が必要だった。大変な苦労もしたと思う。天ぷらは江戸の後期から生まれた料理である。小麦、ナタネ、野菜、など天ぷら材料が揃うのに大変な時間を要したということである。もちろん、この劣悪な土壌改良した知恵は有機肥料である。チッソ・リン酸・カリという知識はなくとも肥料の大切さは知っていたし有効活用していたのである。

?グライド。灰色の湿地帯。
 18%を占有。ゲライドという土は平野の窪地にできた土壌である。大きな河川があり、その河川から小さな支流ができる。支流も低地へいくと湿地になる。湿地にいくと土が還元されて灰色になる。排水が悪い不良土である。稲作に適している。

 このような不良土は秋おこしという方法で改良された。秋に稲田をおこして酸素を入れ土を風化させたのである。風化させるとミネラル分が利用できるようになる。秋おこしは土壌改良の先祖の知恵である。

?褐色森林土
 9%の面積を占める。広葉樹が風化してできた土である。その意味ではヨーロッパの土に似ている。しかし日本の褐色森林土は酸性である。マグネシウム、カルシウムが少ない。灰色低地土や火山灰黒ぼく土に比較すると作物は作りやすい。日本の中では優秀な土壌である。広葉樹が風化してできたので丘陵地の土壌に多く見られる。

?色低地土
 8%の面積を占有する。稲田としての生産力が高い。粒状が細かく粘質が強い。北陸、新潟、山形などの米どころにはこういう土壌が多い。いい米は作れるが転作がむずかしいのである。

?多湿黒ぼく土
 7%の面積を占有。火山灰が降ったところで台地ではない低地に積もった土壌である。排水も悪い。黒ばく土よりさらに条件が悪い。稲作しかできない。水をはるとリン酸ができるのでこの性質を上手に利用して作物を作ったのである。

?黄色土
 6%の面積を占める。熱帯地生の土壌である。沖縄から南はほとんどこの土である。この土に近いのが赤色土、晴赤色土などである。以上の7種類が日本の主な土壌を構成する性質である。

 日本の土壌がなぜ水田が多いのか、理解されたでしょうか。全耕作面積500万ヘクタールのうち7割の350万ヘクタールが水田なのである。水田しか作らなかったと言ってもいいかもしれない。

 日本と同じ緯度にあるヨーロッパは褐色森林土が多い。しかし日本とは事情が遣う。ヨーロッパの褐色森林土は氷河がけずられてできた土壌である。氷河の中にミネラル分がとじこめられていて損失していない。そのために肥沃な土壌になった。ウクライナのモンロリロナイトはその典型といえる。

 ところが日本の土壌はほとんどが風化した土で作られている。ミネラル分はすでに流失
してしまっている。肥沃どころではないのである。

 日本ではなぜ連作障害が多いのかも、土壌から見るとよく理解できる。もともと野菜作に向いた土ではないのである。野菜には向かない土で野菜をつくる。簡単ではないのである。

 隣の韓国は世界一野菜を食べる国民である。日本よりはずっと連作障害が少ない。理由はいろいろ考えられるが花崗岩が風化してできた土壌のため、排水が比較的いいのである。

 日本でおいしい野菜を生産しようとしたらまず土壌のクセを知る必要がある。
この悪いクセをどのように改良すればよいのかを知らなくてはいけない。土壌を改良する資材はたくさんある。玄米アミノ酸のぼかしもその一つであろうと思う。幸いに現在の日本は情報量だけは世界一である。この情報量を生かして、もっとも有効な資材を探す事も大事なのである。わずかな積み重ねを何年も続けて、肥沃な土壌を作った、先祖の苦労が教えてくれる土づくりである。だから劣悪な日本の土がこんなにも豊かになったのである。

関連記事

  1. おいしい米を作るにはどうすればいいか
  2. 全面マルチは早くて3年で畑がダメになる
  3. 健康にもよくて、味のいい作物を栽培する方法
  4. 微量要素はわずかに多くても過剰害が出る
  5. カルシウムの過剰は立ち枯れの原因
  6. 施肥の利用率を高める肥料は半分の量で済む
  7. 肥料の害もなくなって豊作・豊作で喜び
  8. 野菜畑の豪雨対策 「排水方法」
  9. 連作障害は解決できる
  10. ヨーロッパで土壌分析は税金の事
  11. 手間賃は時間だけ 自分でできるプロの土壌分析
  12. 栄養分の吸収
  13. 50年間施肥を続けると収量は必ず大きく下がる
  14. 土壌病害には法則がある。土壌還元の法則
  15. 光合成細菌が硫黄化合物を分解する。ほ場浄化のスグレモノ!
  16. 放線菌は畑の抗生物質
  17. 豊作を約束してくれる微生物
  18. 野菜作りはカルシウムの吸収がもっとも需要
  19. 土壌の微生物を家庭で見る方法
  20. 日本の土の特質を知る
  21. 土はいったいどのようにしてできるのか
  22. 土の正体がわかれば病害は防げる
  23. 土って何だろう2
  24. 土って何だろう?

TOPPAGE  TOP 

カテゴリー

サイト内検索


農業 生産/栽培に関する情報

農業 経営に関する情報

農業 問題に関する情報

農業 技術に関する情報

農業 研究に関する情報

農業 環境に関する情報