カルシウムの過剰は立ち枯れの原因

カルシウムの過剰は立ち枯れの原因

 野菜がうまく作れない。それはどこにポイントがあるか。カルシウムである。カルシウムが上手にコントロールできればいい野菜は作れる。

 野菜を作るにはまず土作り。それから肥料。それはそうである。しかし、カルシウムがコントロールできないと大変な手になる。カルシウムは消石灰や炭酸カルシウムでみなさんがよく使われていて馴染みの深いものである。使う目的はペーハーをあげる為である。ところが最近上りすぎる事がある。たとえばほうれん草なら6.5〜6.8なのに7を越える場合も、時にある。これを越えてしまうと立ち枯れが出る。微生物がほとんど繋確しなくなるのである。酸性の方は相当低くても耐えられる。7をこえてアルカリに少し傾くともう作業は全滅である。

 以前は酸性雨などの酸性化が大問題だった。現在はアルカリ化がもっと深刻なのである。アルカリ性はいい事だけではないのである。農業用の硫酸需要が高まっている事からも深刻さがわかる。

 これは全面マルチをして雨で石灰が流されない弊害から、このような問題が発生している。カルシウムは植物体の中で移動できないという性質がある。移動できるマグネシウムとは逆である。その反面、野菜が成長していく為にカルシウムはいつでも必要なのである。欠乏するとすぐに障害が出る。いつでも必要といぅのはどういう事か。野菜の細胞はペクチン酸カルシウムがないと細胞増産ができない。成長していく原点という事になる。では、多ければいいのか。カルシウムが多いとカルシウム過剰害になる。
濃度が漉すぎると植物体はカルシウムを吸収できない。カルシウムが多いのにカルシウム欠乏症と同じ状況になる。

  では、どうすればコントロールできるのか。その為にはまずカルシウムの性質と働きをよく知らなくてはいけない。カルシウムは三つの理由で植物体の中に必要とされる。

? 植物体の体内にあるカルシウムの働き。
短期間で野菜が成長するには植物体の中にカルシウムが必要である。植物体内にあるカルシウムは細胞壁を構成する役割がある。ペクチン酸カルシウムがないと野菜は細胞増殖できない。

? 土の中のカルシウムは硝酸カルシウムが99%である。硝酸カルシウムが植物体に入ると臭酸カルシウムになる。これを中和する為にカルシウムが必要とされる。しかし若干臭酸カルシウムは残る。そこでほうれん草のようにアク抜きが必要となる。

? 根毛の成長にカルシウムが必要である。根毛は週に一回生え変わる。ペクチン酸カルシウムがないと生え変わる事ができない。

以上の三つの理由で植物体にカルシウムは不可欠なのである。

次にカルシウムの形が三つある事を知ってほしい。

? 固体としてある。土の岩石成分の中にある消石灰や炭酸カルシウムもこの中に入る。
?交換性カルシウムの形である。
? 土の中にある液に溶け出して含まれる水溶性のカルシウムがある。
  土に溶けている硝酸カルシウム、塩化カルシウムなどが入る。

 この中で土壌分析が出てくるのは?の交換性カルシウムである。カルシウムの実質的な働きの部分だけが土壌分析で出てくる。しかし実際は個体としても水溶液の中にもカルシウムはある。

 実はここに大きな問題がある。土の保肥力の60%がカルシウムで適性だったとしましょう。土壌分析ではカルシウムは適正である。しかし野菜がうまく出来ない。この場合は?と?のカルシウムを見落としているのである。土壌分析だけのカルシウムを見て適正と思っていてはいけないのである。この場合はカルシウムの過剰害になる。

 2番目に大きな問題。水管理がうまくいってない場合。畑が乾燥するとカルシウム濃度が高まる。カルシウム欠乏症のような植物の状態になる。追肥をする。カルシウムがさらに高まる。濃度が高くなりすぎて、植物体は呼吸できなくなる。これも過剰害の典型的な例である。カルシウムは体内移動できない為にいつでも必要というのがコントロールできない状態になるのである。

 それでは欠乏症はないのか。欠乏症もある。土壌の上層部は過剰害・下層部は欠乏症なのである。カルシウムがもっとも必要とされる地下30cm程の土にはほとんどカルシウムが含まれていない。不必要な上層部の土にだけ集中しているという現象はかなりの人に見られる。

 カルシウムはどうすればコントロールできるか、もう理解できたでしょう。
?カルシウムの数字は交換性だけでない。
個体性と水溶性を合わせて見ることが必要である。
?土壌の膨軟性を良くしてカルシウム濃度が必要以上に高くならないようにする。点滴潅水などもその方法の1つである。
?土を深く掘る。上層部のカルシウムと下層のカルシウムをよくかきまぜる。

  このようにしてカルシウムをコントロールすれば野菜づくりは誰でも上手にできる。
緊急的にカルシウムが必要とされる場合はこの背景を理解した上で使用してほしい。硫酸カルシウム、またはカルゲンの使用も同じである。塩化カルシウムを1000倍液で使う場合も背景をよく考えて使う事である。

 カルシウム過剰の問題は連作をする大型産地でよく見受けられる。ブランドにする為には同じ作物作り続けなくてはいけない。同じパターンを反復すると土は片寄って奇形化する。土が奇形化すると作物も奇形化する。

 この悪循環を断ち切るには玄米アミノ酸のぼかしは大きな役割を持つ。カルシウムを微生物に持たせるのである。微生物から放出されるカルシウムはイオン化されている。つまり交換性である。すぐに使える。過剰も出ない。欠乏性にもならない。カルシウムコントロール法と併用されると効果はさらに倍加すると思う。





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