土壌病害には法則がある。土壌還元の法則

土壌病害には法則がある。土壌還元の法則

 「土壌病害」生産者であれば聞く事すらいや塗言葉である。これさえなければ農業はいい仕事なのになる?土壌病害を無くすにはいろいろな方法がある。そのいろいろな方法を試しているうちにさらに土壌病害が深刻になってしまうという事もよくある。そこで土壌病害が発生する内容を学習してみようと思う。そうすると、そこには一定の規則、法則がある事が理解できる。この法則を知れば土壌病害が出る方向に行っているのか、出ない方向に行っているのか判断できるようになる。これが判断できるようになると打つ手は見えてくる。つまり土壌病害にやられにくいほ場にする事ができるのである。

◎土理遺元の法則性
土壌還元の法則を知るには稲田を例にとるとわかりやすい。稲田に水を張ったとしよう。そこから還元作用が発生してくる。

(1)酸素遺元される
稲田に水を張ると土の中にある分子状の酸素がなくなる。さらにわずかな酸素を好気性の微生物が消費する。酸素はますます薄くなる。

(2)硝酸が還元される
酸素が欠乏すると次に硝酸が還元される。無機態チッソの役割がなくなる。

(3)マンガンが遺元される
硝酸の次にマンガンが還元される。マンガンは作土層の上から下へと抜けていく。

(4)鉄が還元される
マンガンの次に鉄が還元される。稲田の土を深く掘ると赤色の土やグレーの土を見る事があると思う。鉄が還元されてイオン化された状態である。

 ここまでを遺元第一期というのである。
次に遺元第二期というのがある。

(5)未分解の有機物が邊元される
第一期の還元過程を終了すると未分解の有機物が還元される。

(6)硫酸が遺元される
未分解の有機物に含まれる硫酸が還元される。硫酸の還元がひどいとメディカプタンというメタンガスを発生する。

 ここまで話をしても何を話しているのかさっぱりわからないという方もいると思う。「還元」という言葉から始めてという人も多いと思うから無理もないと思う。

 何が言いたいのか説明しよう。稲田に肥料を入れたとしよう。その肥料はどのように変化していくのかを説明したのである。たくさん肥料を入れればたくさん収穫できると思いこんでいる人が多すぎるからである。魚カスなど良質で高価な肥料をたくさん入れたらどうなるか。最後は硫酸が還元されてガスのわくほ場になってしまう。

  まだ何を話しているのか理解できないと思う。肥料にお金ををかけてほ場を破壊し、土理病害を作っていることがあると言っているのである。それは還元の法則を知らないから起こるのだ。この法則をよく知っていれば肥料を入れすぎるのがいいか悪いかなんて考える事でもないのである。

 これは稲田に限らない。土耕の養液栽培でも同じである。養液栽培は後半になると畑に水があがり土壌病害が多発する。原因は一あ還元の法則にある。後半になると経費がかかりすぎて品物は悪くなり収量は落ちる。なぜか?還元作用がおきているからなのである。嘘みたいな話だがこんな単純な原理原則を理解している生産者が非常に少ないのが現状である。それであの資材は効果があった。この資材はダメと言っても始まらないのである。このように話をしても根拠を明らかにしないと納得できないと思う。そこで酸化・還元・電位差を測定する方法がある。これは P・Hメーターを使う。P・Hメーターの先端に電極がついていて、これで電位差を計測する事ができる。十が酸化状態、一が還元状態である。還元状態の段階ごとに目安の数値は次のようになる。酸化還元の電位差を計測していくと、ほ場の状態が理解できるようになる。

酸化還元電位差
1 酸化還元十0.5Eh〜十0.3Eh
2 硝酸還元十4Eh〜十0.1Eh
3 マンガン還元十0.4Eh〜一0.1Eh
4 鉄の還元十0.2Eh〜一0.2Eh

以上第一期還元
5 未分解の有機物還元0Eh〜一2Eh
6 硫酸還元一0.2Eh〜+0.3Eh

以上第二期還元

  これは科学的根拠に基づいた分析法である。第二期の6番目、硫酸還元状態になると土がひどい悪臭になる。とても耐えられない。生産者の中にはガスがブクブクわくぐらいうちの田はいいととんでもない勘違いをしている人もいる。是非、土を掘り起こして臭いをかいでほしい。絶句だろうと思う。還元作用を知るとなぜロータリー耕が悪いのかすぐにわかる。口ータリー耕で細かく土を砕くとどうなるか。酸素が欠乏する。そして還元状態が一気に加速する。病害虫が発生する。還元の法則から言うと理に合っている。作物を栽培したのではなくまさに病害虫を栽培している状態になる。土は何も言わないので本人が気づかないだけである。

 未熟の堆肥を入れた場合も同じである。好気性の微生物ガスが繁殖して酸素をうばう。酸欠になる。還元状態が始まる。

 今回は酸素が奪われて酸欠状態になると土壌はどのように変化するかを学習した。このような強い還元状態にしない事は簡単である。排水をよくし膨軟性をよ<し過施肥料をやめれぱ強遺元ばおこらない。ゆるやかな還元になる。土壌病害は防止できるという事になる。この老化に生産者は敏感でなくてはいけないのである。土壌病害がどこから出てくるのかこれをよく理解せずに小手先で対応しても抜本的な改革にはならない事を深く考えるべきである。
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