野菜作りはカルシウムの吸収がもっとも需要

野菜作りはカルシウムの吸収がもっとも需要

 病害や連作障害が多発する原因はどこにあるのか。多くの生産者が悩みに思っているテーマである。今回はこれを土壌学の立場から解明してみよう。そうすると思いがけない根本的な間違いに気づくはずである。何だそんなことかとあいた口がふさがらない状態を体験することだと思う。難しくないということである。何が難しくしているのかをわかればいいだけである。

 土の酸性化はどうして起こるのか。日本は雨の多い地域である。雨というのは二酸化炭素の層を通って雨になる。空から雨が降るということは、すでに水素イオンをたくさん含んでいるということである。水素イオンをたくさん含んでいるということは雨水は全て炭酸水である。この酸性雨が土壌にあるカルシウムとマグシウムを洗い流す。これを長い年月にわたり、くり返すと酸性土壌ができる。日本の土壌は自然に酸性になるようになっている。まず、これを頭に入れてもらいたい。

 ところが最近、この自然な土壌に異変がおきつつある。全面マルチである。雑草と病気の予防ということで、露地栽培でも全面マルチをするところが多くなった。
雨水は土に浸透しなくなる。カルシウムとマグネシウムは流出しなくなる。そこへ慣行的に石灰をふる。どうなるか。ぺ−ハ−は極端に上昇する。立ち枯れが起こる。ぺ−ハ−は7前後にもなっている。作物ができるわけがない。

  土壌の酸性化で作物が取れないのでは ない。土壌のアルカリ化で作物が育たないのである。え−、とビツクリでしよう。 金かけて、手間かけて、畑を壊している。そうではありませんか。

 もう一つの大きな原因があります。それは肥料の入れすぎである。肥料を入れすぎるとなぜ土壌に悪影響が出るのか。それはカルシウムの濃度障害が起こるからです。カルシウムの濃度障害はどうして起こるのか。酸性土壌のところを少し思い出してほしい。昔は石灰を入れないためにカルシウムが欠乏した。雨によってカルシウムとマグネシウムが流出してしまうために補給する必要があった。ところが全面マルチで状況は逆転した。肥料も同じである。肥料濃度が適正でないとカルシウムは吸収されない。肥料を入れすぎると肥料濃度は高くなる。
乾燥すると、煮詰められるような状況になるわけだから、さらに肥料濃度は上昇する。そうすると浸透圧の関係から毛根が肥料を吸収できない状態になる。カルシウム不足ではなく過剰によって作物は育たなくなる。

 いままでに話をした二つのことに共通している言葉は不足ではなく「過剰」である。つまり、やりすぎなのである。これが現代農業の大きな盲点になっている。
不足しか言わない。「過剰」を言う人はほとんどいない。過剰と言うのは、手間ひまかけて金かけて、元も子もなくしているという事である。過剰だから病害と連作障害が多発するのである。不足を気にするのではなく、常に過剰を気にする。生産者に一番必要な考えなのであ
る。ここに注目した生産者は大成功する。玄米アミノ酸農法で成功した生産者には共通点がある。過剰をやめた。ただそれだけである。ただそれだけで畑や作物がどれだけ生き生きとして蘇る事だろうか。

 野菜作りの根本は「カルシウム」の吸収がうまくいくかどうかで決まる。注意点はこれだけなのである。という事は、土壌の肥料濃度とぺ−ハ−を意識すればいいだけという事である。

 野菜にはそれぞれ適正ぺ−ハ−というのがある。これは野菜作りの本にはすべて出ているので、参照してほしい。いい野菜を作るには、常に土壌のぺーハーに注意しなくてはいけない。その為にぺ−ハ−メ−タ−というのがある。わずかに2万〜3万円で購入できる。これがあるだけで収量は大きく変化する。病害や連作障害も避けることができる。スグレモノというべきである。しかし、これを道具として持っている生産者は少ない。基本的に必要なものだから常備することをお勧めしたいのである。私も使ってみて大変使いやすく感じているものがあるので紹介する。巻末を見て参考にしてほしい。もちろんこの他にもぺーハーメーターはある。自分でいいと思うものをお使いいただければ、それで問題ない。要は土壌のぺ−ハ−を計測することがいかに重要であるかということを知っていただきたいのである。野菜の品質と収量に直接的なものだからである。土壌の状態を見るためにはどうしても不可欠なものだからである。

 土壌のぺーハーを計る事はなぜ重要なのか。土壌のマイナス電気とプラス電気の関係を知る必要がある。肥料の効カを高めるにはマイナスの電気が必要である。肥料はプラス電気だからである。
マイナス電気とは腐植の量と土壌鉱物の量できまる。このマイナス電気にカルシウムやマグネシウム、カリなどがくっついて肥料に働きをする事になる。つまりマイナス電気がたくさんあることによってぺ−ハ−のバランスはよくなる。作物の収量はグーンとアツプするという事になる。

 生産性を高める為に重要なことは自分の畑のことを自分で判断できるということに尽きる。これを他人まかせにしてはいけない。他人まかせにするからわけがわからなくなる。自分で状態が把握できていればどのようにでも対応できるのでる。その為には土壌の基礎をしっかりと知る必要がある。難しいことは何もない。作物にはどういう状態が一番いいのか、常に心がけるだけである。これだけで利益の出る生産ができる。





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