土の正体がわかれば病害は防げる

土の正体がわかれば病害は防げる

 前回は土はどうして作られるかという学習をした。岩石に水がたまり、風雨にさらされて、ひびわれができる。そこに生物が住み始める。生物は岩石の豊かなスープを得ようとして活発に活動する。最初はアメーバーのような生物からミミズのような原生動物が住むようになる。微生物の死骸が栄養になってさらにたくさんの微生物が繁殖するようになる。これをくり返し、岩石は風化していく。そして土になっていく。これは土が作られていく過程である。二の過程は大変に重要な事なのである。なぜならば土はどうして土の状態を維持していくのか。その答えはここにある、岩石が土の状態になっても活動は同じなのである。
つまり微生物がたくさんのスープを得ようとして活動する。土の状態になるとスープは簡単に得られる。微生物は大繁殖する。そして死骸が蓄積する。これが土を作る。これを栄養にして、微生物が繁殖する。このくり返しである。岩石が土になる過程と土が土の状態を維持している過程はまったく同じ働きなのである。それを養分にして植物が育つようになる。

案外 逆をやっている

 このようにして土は作られていくわけであるが、土の正体とは何だろうか。これを知る事によって、栽培の適正、肥料のやり方が自然にわかってくるようになる。失敗は少なくなる。「そんな事誰でも知ってるよ」。ところがこれを知らずに逆をやっている人は案外多いのである。

 土は気体、液体、個体に区別される。これを物質の三態という。気体は酸素、液体は水。例えば北海道の土を九州に持って行ったとしよう。酸素と水は入れかわる。しかし個体はそのままである。ではこの個体の正体とは何だろうが。土の個体は4つの混合物でできている。

(1)生物による岩石の風化。いわゆる土の母材である。
(2)しかしすべての岩石が風化するわけではない。風化しないで残るものを一次鉱物という。
(3)土の主役を形成する腐蝕。岩石という無機物から光合成して、有機物が発生し、微生物や植物の死骸が土固有の有機物を作っていく。
(4)粘土鉱物、岩石の中にある粒状物質が風化されず水と温度差により特有の無機物を作っていく。農業をする時、この粘土鉱物は非常に重要な働きをする。微量要素、ミネラルを多量に含んでいるからである。例えば陶器を作る時に粘土を使、っ。粘土の良し悪しで陶器の出来が決まる。良い器は見た目にもきれいだが、活性能力も高い。つまりその器に盛るとおいしくなる。粘土鉱物の力を示している。


土の性質を知ろう

  土地は以上の4つの混合物からできている。しかしすべての土が同じバランスでできているわけではもちろんない。どのようなバランスになつているのか火山灰土で見てみよう。火山灰土は天然の栄養成分は少ない。岩石のスープは少ない。味のない土である。色は黒く粘土鉱物と腐蝕で構成されている。ペーハーが酸性に傾くとアルミニウム化合物を生成する。アルミニウムはリン酸物質と結合する。リン酸を入れすぎると過剰になりほ場に残り蓄積する。入れすぎは禁物の注意が必要になる。火山灰土はスープがうすいわけだから肥料はたくさん入れなくてはいけない。

 平地の土を見てみよう。赤褐色をしていて?腐食と?風化でできている。栄養成分は、豊富でいいスープがよく出ている。粘土質が少ないので肥料を保持する力はない。このニつの土を比較してみよう。平地の土は粘土質が少ないので干ばつに弱い。火山灰土は強い。肥料は平地では少なくてもいいが保肥力がない。
火山灰土は肥料が多く必要である。しかも保肥力がある。火山灰土では、ごぼう、人参などが通地作物になる。一方、平地でば棄物、果菜類などが適地作物になる。「そんな事はわかっている」と言われそうである。ところが平地でスープの濃い所で肥料をたくさん入れるというやり方を良く見かける。スープの濃い所へさらにスープを入れるわけだから濃度障害を起こす。連作障害にもなる。例えば砂地でイチゴに10アール30kgのチッソを入れたらどうなるか、当然根は焼ける。

その場しのぎではだめ!

 作物に問題が出ると対処療法だけを教える。その場しのぎだけで解決しようとする。その結果、ますます問題は大きくなる。毎年たくさんの収旦量が継続的にほしいと思ったら、まず土の性質をよく知らなくてはいけない。土の性質を知れば肥料はどうすればいいのか、作物は何がいいか、どういう問題があるのかすべて予測がつく事になる。これを知らないで大損をしている生産者がいかに多い事か、驚くほどである。

 今回は土の正体について学習した。4つの混合物からできていて、特に注目すべきは粘土鉱物である。さらに適地作物を学習した、次回は土壌の性質と生かし方をさらに掘り下げる。土壌病害がどこから出てくるのか自然に理解されるようになる。





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