異常気象を予測した春の土づくり

農業
 春の育苗期になるが今年も地球温暖化を抜きにしては語れない。北極の夏の氷は30年前倒しで溶けている。今世紀末に全部溶けるどころの話ではない。昨年ですでに北極の氷は80年代の半分になってしまったのである。異常な速度である。




 氷が溶けたことで石油が発見され、北極はバブルになっているそうだが、そんな事はどうでもいい。北極の氷が溶けると海水温が上昇する。これが大問題なのである。異常気象の根本原因だからである。
 ここまでは先月号にも書いた。「海水温は高い状態になる」これだけの情報で今年の気象の大枠をつかみとることができる。



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 梅雨の始まりは早く、明けるのは遅くなる。梅雨前線が長期間停滞する状況になる。5月〜7月は曇りの日が多く日照不足になる。気温はあまり上らずに低温になる。
 「どうして、そんな事がわかるのか。今年の天気がどうなるかなんて誰もわからないだろう。神様でもあるまいし…」今まではそうだった。しかし海水温が高くなると毎年こういうパターンになるのである。



 こういう天候になると私が予測しているわけではない。日本にある世界最大の大型コンピュータが出した気象予測なのである。現在のあらゆる環境情報を入れると自然に答えが出てくるのである。
 梅雨があけると毎日が猛暑日になる。いつまで続くかわからない。カラカラの高温になる。春の土づくりはこの天候を予測して作らなくてはいけない。



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?地温
 日照不足で低温になるわけだから、春の地温は低い状態のままになる。地温が低い状態を畑に作ってしまうと収量も品質も期待できなくなる。地温の低い状態とは酸素が少ない、微生物が少ない、湿度が高い、状態が重なる。そこへ化学肥料を多く使う、有機肥料を多く使うとどうなるだろうか。
 マルチは地温を上げる事に有効には働かない。地温を上げる方法は酸素をエネルギーとして使い燃やすことである。これができるのは微生物だけである。異常気象では微生物の働きがさらに重要になってくる。



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 これはすでに多くの生産者によって実証されている。長野県のMさんは近所の作物が最悪だったのに私の家は平年以上の豊作だったと言っている。玄米アミノ酸のぼかし以外に原因は考えられないというのである。周囲の作物と比較してすぐに結果がわかる状態になっている。Mさん以外でも多くの方が実感しているはずである。



?耕す
 浅くしか耕すことのできないロータリー耕は収量がグーンと落ちるようになる。梅雨期と台風は重なる。しかも台風の発生状態が違ってきている。今までは南方で発生して風力を強めて近づき上陸すると風力が弱まった。その台風が南方ではなく日本の近海で発生して強い勢力を保ったまま上陸することになるのである。小さな台風でも大きな被害になる可能性が出てきたのである。梅雨期と台風が重なると短時間で大雨量になる。



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 排水を考えない土づくりは収量が0になる可能性も大きくなる。畑の立地もよく考えた方がいい。台風以外にも局所的な短時間集中降雨という現象が多くなっている。1日で1ヶ月分の降雨量があったとか、よく聞く話になる。九州地域は干魃と集中降雨が頻繁になると言われている。これも大型のコンピュータで予測されている。
 雨は水蒸気が雲に吸収されて雨になるわけですから、地形などをよく考えると予測がつくかもしれない。
 どんな雨がきても大丈夫なように排水しておく。これは最低条件になった。



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?病害虫
 異常気象でもっとも厄介なのが病害虫である。冬場の温度が4度以下にならないと南方系の病害虫が越冬してしまうのである。見たことも聞いたこともないような病害虫が出てくる。すでに出てきている。「アフリカマイマイ」である。強い感染力があり、生命力も強く繁殖もすさまじい、カタツムリのような形をしている。「イエシロアリ」もそうである。このような害虫は大雨とともにやってくる。
 病害虫を極端に恐れる必要はないけれども土づくりを間違うと簡単にやられてしまう。特に肥料過多、チッソ過多は病害虫の巣を作ってしまう。肥料については次号に詳しく話をする。



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?土づくりを根本から見直す
 昨年から環境はまるで変わってしまったのである。十年ひと昔のように農業をしていたらどうなるだろうか。収量が0もあり得る気候になったのである。これは脅しではない。現実である。ここ数年、一部の兆しとしてはあったが、今年からはそれが大きく広がりを見せることになる。情報はできるだけ早く詳しくお知らせしたいと思っている。こういう異常気象では金持ち農家と貧乏農家は極端に分れてくる。その根本は農業の基本にあることを忘れないで欲しいのである。土づくりも基本を守っていれば大きな被害に出会うことはない。異常気象に対応できるかどうかは今年の春が勝負である。生き残りをかけた年になる。

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