収穫後の土壌管理が大切な理由
いやー今年もなんとか無事に仕事を終えたとほっと安心できる時期である。ひとつの仕事に区切りがつくと熱いものが胸にこみあげてくるのではないだろうか。毎年、同じくり返しだけれど毎年、何かが違う。そこが楽しみでもありおもしろさである。来年への期待も希望も出てきて継続できるエネルギーになる。
収穫後のこの時期だからこそ、できる事がある。この事をやるとやらないでは大違いの結果になる。むずかしい事では決してないけれど来年は来年という顔で仕事をしているともう間に合わないのである。すべての仕事が後手にまわる。仕事も忙しくて結果も出ない。悪循環になる。収穫後の今、この時期にやるべき事をやっていれば来年は非常に楽なのである。
今年も異常気象には悩まされた。低温多湿の雨ばっかりである。育成期に大幅な日照不足になった。糖度ものらない。色も出ない。多湿のためカビ病・サビ病の多発である。来年こそはという期待はしたい所だが何かの異常気象はすでに折込みにした方がいいと思う。このニュースレターでも取り上げているけれど環境破壊はすさまじく驚くスピードで進行している。人間の力で天候を悪くしているからである。地球上で唯一、天敵のいない人間は人間が天敵になってしまったのである。だから来年も異常気象と思った方が対策は立てやすい。何日も雨が降らない、雨ばっかり、晴ればっかり、何日も高温が続く、何日も低温が続く、台風が連続してくるなど予想できる事はすべて予測に入れておいた方がいい。そういう時代になったのである。
こういう時代になると農家の貧富の差はもの凄く拡大する。格差社会と言われている。生活保護400万世帯である。平均2.5人としても1000万人の人が生活保護を受けていることになる。ワーキングプアーという人がふえている。正社員の数より臨時(アルバイト・パート)社員の数の方が大きくなった。働いても働いても少しのお金にゆとりもない人をワーキングプアーと言うのである。
農業生産者でも離農したり、破産する人が急増すると思う。その原因は何の工夫もない慣行農業を続けることにある。ずっと同じようにやってきたからではやっていけなくなった。法律がさらにこれを加速する。トレーサビリティ、ポジティブリスト、DAP、次々に新しい法律が出てきた。安心、安全に対する消費者の要望に答えようとするものである。食品を作るのだから当然と言えば当然なのだが、これまでに何の規制もなかったのに戸惑うばかりである。すぐにではないけれど4年〜5年先にはこの法律をクリアーした人でないと生産した作物を売れなくなるかもしれない。脅すわけではない。時代の流れが無茶苦茶に早い。早すぎる。この流れにのみこまれないように、流れにのれるような学習が必要なのである。なんとなく農業をしているでは利益はまったく出ない時代になったのである。
「そりゃ!その通りだけど年もいっているし、いまさら勉強なんてできるわけないよ!・・・」そんな声が聞こえてきそうである。どうすればいいだろうか。方法が一つだけある。「基本に戻る」事である。新しい事は勉強しなくても基本に戻ればすべて解決できる。では基本って何・・・。複雑になった今の農業を単純化することである。どうやって単純にするの・・・?だから基本に戻るのである。この基本が確立している人は非常に少ない。電話で相談を受けているとすぐにわかる。
間違って生の米ぬかを入れてしまった。ほ場がカビだらけになった。どうしよう。電話で頭の中がまっ白になっているのが手を取るようにわかる。
基本を知っていればこのような間違いはするはずもない。秋の収穫後の土壌管理は基本中の基本なのである。春の新種・種まき、定植の基本は知っていても秋の基本を知らない人は驚くほど多い。肥料さえ入れれば勝手に作物は育つと勘違いしている。
稲作は特にそうであるが全般的に作れば売れるという時代は終った。消費者の好むものを作らないと売れない時代になった。消費者がもっとも気にするのは安心、安全である。消費者の立場に立てば当然の事である。
消費者の好む作物がいつでも作れるように基本をしっかり整備しておくのである。
?肥料を大量に入れるのは収穫後である。
?ぼかしを大量に入れるのは収穫後である。
?土壌をつくるのは収穫後である。
?病害虫対策をするのは収穫後である。
?畑の問題を見つけるのは収穫後である。
?畑の問題を解決するのは収穫後である。
大切な事の多くは多くは収穫後にある。これが基本である。多くの人は春が基本だと思っている。それではもう遅いのである。なぜ遅いのか。11月号ではこの事を詳しく説明する。
基本というと誤解をする人がいる。初めてやる人が習うことだと思ってしまう。基本というのは言葉を変えると成功パターンなのである。同じ事を何回くり返しても同じように何回も成功する。それが基本なのである。どんなに時代が進んでも、どんなに時代が変化しても、どんなに時代が複雑になっても基本は変わらない。いまお伝えしている情報は「上手に収穫して毎年の成功をしている生産者の共通点」を話している。うまくいかない人は何か違ったことをしているのである。そこに気がついてほしいのである。




