土壌消毒を活用して善玉菌をふやす方法

 8月になると土壌消毒の季節である。強い太陽光線を利用した太陽熱消毒もあちこちで見かける。しかし、その効力について知っている人がどれだけいるだろうか。菌はもともと目に見えないものである。生きているのか死んでいるのか、まるでわからない。わからないけれども消毒をする。なぜか。病害虫にやられるからである。

 では消毒をしたら病害虫はなくなるのか。病害虫がますますひどくなったという話はよく聞くがもう出なくなったという話はほとんど聞かない。どんな消毒をしてもである。この方法で消毒をしたら、まったく病害が出なくなったという情報があったら教えてほしいのである。どうしてなのだろうか。




 消毒をすれば悪い虫や菌は死ぬと思っていないだろうか。確かに死ぬ。しかしすぐに復活する。植物を食い散らすのが悪い菌だとすれば植物を育てる良い菌というのもみなさんよく知っている。微生物の力というのはすでに体験済みである。しかし、この悪い菌と良い菌の関係はどうなっているのだろうか。こうなると知っている人はまったくいなくなる。




 この関係がわからずに土壌消毒をやってもほとんど意味がないのである。「何の為に土壌消毒をするの・・?そりゃ、決まっているよ。悪い菌を殺すためさ。それじゃいい菌はどうなるの・・・。」いい菌も当然、死ぬのである。皆殺しである。「それじゃ植物は育たなくなるよね。だから肥料を入れるわけよ。でも肥料を入れたら、すぐに悪い菌も復活だよね。消毒の意味があったのかな・・・」




 「ちょっと待って。土壌の中の何%ぐらいに効果があったのだろうか。そりゃ、わからないよ。効果があったと思うしかないよ・・・」




 実に心細い話なのである。良い菌と悪い菌はどのようにして発生するのか。良い菌は良い環境で発生し、悪い菌は悪い環境で発生する。蛍は清流から生まれ、ボウフラは腐った水から生まれる。元は同じ水である。土壌消毒の前に考えなくてはいけないことがあるということなのである。それは土壌の環境整備である。




(1)深く土を掘り起こし酸素を充分に与える。悪い菌は酸素に弱いのである。
   土壌中の空気の通りが良ければ悪い菌は死に良い菌が自然にふえる。




(2)排水を良くする
病害虫の発生した所は大抵、湿気が多く排水の悪い所である。
   水が流れずに停滞すれば腐る。水が腐ると悪い菌が出る。
   ほ場の中で悪い菌が出る所は決まっていると言っていい。




 この2点を重点的にやるのが先決である。それから土壌消毒をする。土壌消毒をする方法は次の通りであるが、これで終わりではない。善玉菌だけを復活させて土壌消毒は終わるのである。




?薬剤消毒
 薬剤は臭化メチルなど禁止されたものがあるので注意してほしい。消毒できる深さには限度がある。メーカーに問合せて見るのも方法である。




?蒸気消毒
 穴のあいた鉄管を土壌に埋設し、蒸気を通す方法である。設備費に200万円ぐらいは必要である。埋設する深さは15m程度なので根を浅く張るものには有効である。蒸気消毒は苗土の消毒にもよく使われる。




?熱水消毒
 熱水消毒とは文字通り90℃の熱水を1?当たり200リットルから300リットルを注入して病害菌を死滅させるものである。機械設備は500万円ほどかかる。火山灰土や酢などでは有効に活用できる。1日にできる面積が10アール〜20アール止まりである。24時間畑に泊まりこんでやることも珍しくない。この消毒も比較的に浅いところまでしかできない。ロスも出る。入れた熱水を抜かなくてはいけないのである。畑が乾くまでは作業に入れない。




?太陽熱消毒
 真夏の一番、暑い時期に土壌にビニールシートを張って消毒する。この方法はコストが安い。しかし、大きな欠点がある。一番の収穫時期の夏を休耕しなくてはいけないのである。それも2週間〜3週間もである。太陽熱消毒が浸透するのは5cm〜10cmである。深い所にいる病害虫は死なない。




?フスマ消毒
 飼料になるフスマを使って土壌消毒をする。10アールに1トンものフスマを入れて水を多量にまく。フスマに水を含ませる。これを耕運機で耕す。そうすると強い還元状態ができる。土の中は無酸素状態になる。生の有機物を投入するので強い酸性状態になる。これを還元状態というのである。この状態になると微生物は生きられなくなる。死滅する。人工的にわざと悪い環境を作るのである。深さは15cm〜25cmくらいまで消毒できる。




 注意しなくてはいけない点がある。フスマは有機物なので分解されれば肥料になる。肥料投入を極端に減らさないと肥料過多になる。欠点もある。還元状態にしてから通常の状態に戻るまで数ヶ月もかかる。




 以上、薬剤に頼らない土壌消毒法である。ざっと見てご理解いただけるように経済的にも作業的にも収量の面でも問題がある。薬剤はダメ。自然も方法にも問題ありとなったらどうすればいいのだろうか。しかも土壌消毒は必ずしなくてはいけない。土壌消毒をしないと病害菌で生産できなくなってしまう。




 ここでよく考えてみてほしい。病害菌に一番、有効的なものは何だろうか。病害菌の立場に立ったら、何が一番恐ろしいだろうか。病害菌をやっつける菌が一番恐ろしいのではないだろうか。




◎善玉菌の復活は玄米アミノ酸ぼかし
 土壌消毒は深さに限界がある。だから悪玉菌がすぐに復活するのである。これを防止して土壌に力をつける善玉菌をふやすのが玄米アミノ酸ぼかしである。10アール200kgをすきこみする。30cm〜40cm 深くすきこみしてほしい。この時に6月号で紹介した「遠赤外線・天然ミネラル鉱石」を使うと微生物の巣になる。効果倍増である。微生物は適度な水分が必要なので週に一回ぐらい玄米アミノ酸液を2000倍に希釈して10アールに1トンぐらい灌水をすると微生物がさらに活発に活動する。土壌消毒は善玉菌をふやして初めて終了となる。




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