肥料の利用率を高めると肥料は半分の量で済む

 4月から8月にかけて肥料は一番大きなテーマである。肥料をやる時に量を問題にしている人が多いが、作物の利用率に焦点をあてると意外なことがわかってくるのである。肥料が半分にできればそれだけ収益も出て労力も少なくなるということである。
肥料の利用率を高めると肥料は半分の量で済む。

 肥料の利用率を考えた事があるだろうか。投入された肥料がどれくらい効率的に使われているか、という事である。




 どんな業界でも利用率は厳しい消費者の目に晒される。例えば、自動車である。1Lでいくら走るのか。これは買う人にとって大きな問題である。機械を購入した。何年使えるのか。これも買う人にとって大きな問題である。




 では、農業は投入された肥料のどれくらいが利用されているのか。そんな事は考えた事もないという方もおられるでしょうね。話題にもならないと言ってもいいくらいかもしれません。しかし、これは非常に重要な事なのである。これがわかれば農業は大きく変わる。今までは計算できない、やらない、だった。だから適当に施肥をやっていた。こんなものだろうの、目分量だった。それが大きな問題を引き起こした。まず、お金がいくら必要なのかわからない。どれくらいの肥料を用意すればいいのかわからない。土壌がいい状態にあるのか、悪い状態にあるのかわからない。なぜ病害が毎年出るのかわからない。すべて、わからないずくめなのである。その根本原因は施肥の「利用率」にある。その利用率を4つの視点から見る事にしよう。




?施肥の時期




 何を作るにも同じ方法で施肥すればいいと言うものではない。果菜類と葉物を例にとってみよう。葉物は本葉が5枚〜7枚になった時に、一番養分を必要とする。この時期に肥料成分がないという事は、いい作物ができないという事である。本葉が5枚〜7枚というのは、比較的早い時期である。これがキャベツや白菜だったとしましょう。後半、結球(葉が巻いて玉になる)する時には肥料成分がなくてもいいのである。これが葉物の成長する生理的なリズムである。




 それならば、トマトやナスの果菜類はどうだろうか。初期に肥料が多すぎると花芽が止まらなくなる。花は咲くけど実にならない現象である。チッソ分が初期に多すぎると、こういう現象になる。果菜類が肥料を必要とするのは後半である。トマトなら3段目以降なのである。前半は少なく、後半は多くという施肥のやり方をすると果菜類はいい品物が長期間、収穫できる。




 このような施肥の逆をやっている人はいないだろうか。利用率はグッと下がる。結果も出ないという事になる。




?施肥の位置(場所)




 どこに施肥をすればいいのか、という事である。施肥の場所で結果は大違いなのである。例えば三菱で開発された機械がある。水田の田植えをする時に苗と同時にペースト状の肥料が出てくる。苗と肥料とを同時にやるのである。それもピンポイントで施肥をする。肥料の量は半分ですむ。




 果樹の場合は背中に機械を背負って、土に穴をあけながら深い所に肥料を落としていく方法がある。さらに、弁当肥えと言って、育苗箱に肥料を入れて、そのまま定植してしまう方法がある。




 施肥の位置(場所)というのは、肥料を入れるのは浅い所がいいのか、中間の所がいいのか、深い所がいいのか、という場所を決めるという事なのである。そうすると必要な所に必要な肥料が供給される事になる。利用率が高まるのである。肥料濃度も安定させる事ができる。肥料切れも起こさないという事である。




?肥料の形態




 ここでは、詳しくふれない。玄米アミノ酸のような発酵肥料は、求める時期、求める位置(場所)を決めるだけで相当、効率アップが期待できると思う。玄米アミノ酸ぼかしは、それ単体でも肥料になる。化成肥料とも混合できる。有機肥料とも混合できる。時期と位置を間違う事がなければ経費もかなり削減できるはずである。しかも良品質のものがとれる。利用効率もグッと高める事ができる。




?施肥量
 施肥量は、A肥料の利用率、B土壌の中にある天然供給量、C土壌にある残存養分量、の三つで決まる。しかし、この三つの要素は漠然としていて根拠がはっきりとしない。そこで、だいたいの目安となる数字を伝えておく事にしよう。利用率は投入量のチッソが50%、リン が10%、カリが40%。だいたいの目安である。天然供給量が10アールでチッソ2kg、リン0.5kg、カリ2kg程度である。残存養分量はECが0.25以下ならまったく無いものと考えていい。この数字をもとに施肥量を考えていくのである。それならば、植物に吸収される量はどれくらいかを説明しておく事にしよう。野菜の栽培で10アール当たり、チッソで3kg〜5kg、リン3kg、カリ5kg〜8kg。わずかの量しか植物は養分を必要としないのである。これを、トマト100kgを作る量で見てみよう。チッソ0.3 kg、リン0.1 kg、カリ0.5 kg。ほうれん草100kgを作るのではどうか。チッソ0.5
kg、リン0.2 kg、カリ0.4 kg、カルシウム0.1 kg、マグネシウム0.2 kg。本当にわずかの量である。




 施肥と一口に言っても幅も奥行きもある。時期と量と位置と形態の4つを組み合わせするだけで農業は大きく変えられる。




 肥料が少なくなれば肥料代が浮くだけではない。手間も少なくなる。病害も減る。収量も出る。いいことづくめである。やってみない手はないのである。





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