土づくりで野菜の味と収量が決まる

 生産者にとって味を問題にする人は比較的少ない。どれだけとれたか、収穫量のほうが問題だと思う人が多い。「野菜の味が良くない」が、実は、収穫に大きく関係しているとしたらどうだろうか?大変な問題である。

これを微量要素から見ていくと実にわかりやすくなる。肥料成分は大きく三つに分けられる。多量要素のチッソ・リン・カリ。中量のカルシウム・マグネシウム・苦土石灰など。そして微量要素である。微量要素は、10アール当100gの以下の少ない吸収量だけれど、野菜の味に大きく影響している。ミネラル成分だから当然のことである。これがバランスよく含まれていると、美味しい野菜という事になる。ところが、この微量要素が吸収できない畑が増えている。ペーハーが6.2以上になると吸収できないのである。




農薬や化学肥料を使いすぎると酸性土壌になる。つまりペーハーが低くなる。これをあげる為に苦土石灰を多量に使う。そうするとペーハーは上がるが微量要素がきかないという事になる。それだけならまだいい。微生物が死滅して土壌が砂漠化する。元も子もなくしてしまうとはこの事である。もう生産は出来ない畑になってしまう。例えば長野県で高原野菜を栽培し、全面マルチをしているところには事実そういう被害が多発している。これは微量要素に対する考え方が間違っている事が根本原因である。




 微量要素が問題になる作物はキャベツ・大根・ブロッコリなどのアブラナ科の仲間である。微量要素の欠乏と病気を勘違いしてしまうのである。葉の色が黄色くなった。病気だと思って栄養剤をかける。ますます元気がなくなる。実は微量要素の生理障害だったという事が時にある。これはどう見分ければいいのだろうか。葉の葉脈にそって黄色くなっている場合は微量要素の生理障害と考えていい。その場合は微量要素を葉面散布するだけで回復する。つまり葉が変色した場合は葉脈を良く見てみなさいと言う事である。微量要素にはさらに落とし穴がある。収穫を上げたい一心になって化学肥料のマンガンやホウソをいれすぎる事である。マグネシウムや苦土石灰も同じである。入れればいいと言うわけでもなくて、植物が吸収できる状態にあるかが問題なのである。ほ場の力をつけるには、化学肥料ではなく微生物の力である。微生物が有機物を分解する過程で微量要素は作られる。




 それも不足したわずかな部分を補うというのが一番いい方法なのである。玄米アミノ酸ぼかしを活用すればこれは簡単に出来る。収穫直後に土壌改良と微量要素の吸収が目的で10アール100kg程度のすき込みをするのである。そうするとペーハーのバランスがとれて、微量要素の欠乏はなくなる。人間の手をかりる事なく黙々と文句も言わず働いてくれる微生物はありがたいだけではないだろうか。




 土づくりは微生物を豊富して膨軟性を作る。次にチッソ・リン・カリをいれて栄養成分が分解されやすくする。カルシウム・マグネシウムが効いて、おいしい野菜が出来るようにする。土づくりが味 と収量、形状に直結するようにしていくのがもっとも手間のかからない方法なのである。また病害も未然に防いでくれるのである。





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