宮城県登米郡南方町 阿部さん

玄米アミノ酸  宮城県登米郡南方町 阿部さん

  冷害の影響にヒヤヒヤしましたが、効果を実感しました。











阿部さんは水田23ヘクタールを経営する、お米専業農家である。平成元年から有機による米栽培に取り組んでいる。それまでは慣行農業をやっていた。これからの時代は差別化されなくてはダメだと考えて決断したのである。慣行農法への疑問と田植え直後の田んぼでいうのもあったけれど、米価は下がる一方で、このままでは農業が立ちゆかなくなると思ったのである。





  慣行農法から有機農法に変えたところ、収量が大幅に減った。10アール9俵から10俵とれていたのが、5俵から6俵まで落ち込んだ。特に平成5年の大冷害は深刻な打撃を受けた。なんと10アール1俵から2俵である。まさにがけっぷち。原因はイモチ病の大発生である。主流の品種、ササニシキが冷害に弱かったということもある。それでも阿部さんは、慣行農法に戻る気はまったくなかった。お米を直接、消費者に売りたいという夢があったからである。消費者の理解を得るには、おいしい米が絶対条件である。慣行農法ではおいしい米をつくるには限界がある。この大変な時期を阿部さんはどう乗り切ったのか。田んぼから収穫したものは田んぼに戻す。稲わら、こぬか、もみがらをすべて田んぼに戻したのである。そうする事で収量は7俵から8俵まで戻った。田んぼから収穫したものを田んぼに返すという事は微生物が繁殖しやすくなる。同じ作物なので問題もおきにくい。グッドアイデアである。





  有機認証は平成13年から申請を始めた。有機認証機関によって資材への考え方が違う。これは変な話だけれども、事実なのだから仕方がない。細部の見直しを経て、どうやら認証される見通しになっている。



  米の有機認証で一番むずかしいところはどこか。それは育苗である。雑菌の繁殖。カビの発生。これは加湿してデンプン質が分解される事から発生する。さらには有機酸による根の障害。短期間に必要な栄養素をすべて供給するというのは大変むずかしい事なのである。しかも苗半作と言って、育苗の出来、不出来が後で大きく影響してくる。生命源でもある。この育苗に何かいい資材はないものかと探し求めていた。この時期に玄米アミノ酸 液体と出会った。以前玄米アミノ酸 粉体を使って、悪くないという記憶があった。ひょっとしたら違う結果が出るかもしれないという期待があった。プール育苗で玄米アミノ酸 粉体を使ってみる事にした。結果は期待した以上だった。カビの発生は見事に抑えられ、有機酸による障害はほとんど見られない。生育も非常にいい。これで有機認証は得られやすくなった。大きな関門の突破である。





  育苗での好感触を得たので、ほ場にも入れてみる事にした。ほ場には玄米アミノ酸のボカシを入れた。すべてが米由来だから何の心配もなかった。田んぼのものは田んぼに戻す原則から少しもはずれていない。以前は粉体だけを使い、高い資材というイメージがあった。しかし「ボカシ」にすれば話は別である。コストが大幅に下がる。



  この結果、アオミドロやサヤミドロの藻類が大発生した。特に今年は冷害の年である。前回の冷害からの教訓で深水にした。田んぼに深く水を張るのである。そうする事によって温度差がなくなり、寒さの影響を受けなくなる。藻類が大発生した利点がいくつかある。まず微生物がびっくりするぐらい増えた事。ミンンコや員、エビの類である。それからひえの発生が抑えられた。肥料の蒸散を防いでくれる。水がなくなった後は藻が土に張りついて肥料になってくれる。



  有機を始めた当初は、どこに何が効いているのかわからない資材を多く使った。結局、金がなくなるだけだった。それに比較すれば、玄米アミノ酸ボカシの効カは見た目にはっきりしている。しかもコストが安い。さらに驚く事は根の発育がすこぶる良好なのだ。これは微生物で土が柔らかくなった結果でもあると思う。



  今年は冷害の年だった。平成5年の冷 害を教訓に対策はしていたと思う。それでも周囲の稲田の有機はひどいものである。10アール5俵以下はめずらしくない。この冷害の影響が出るのではないかと内心ヒヤヒヤしていた。ところが予想に反した。見た目でも明らかに他のほ場と違う。元気がいい。穂の実り具合がいい。茎もしっかりしている。通常の年とほとんど変わらない。ここまで違うのかと思ってしまった。玄米アミノ酸 粉体効果は認めざるを得ないと思った。





  阿部さんは50tタンク2機所有している。米はすべて籾でもつ。それには理由がある。収穫した米はすべて契約直販しているのである。注文をもらってから脱穀し、精米する。この他に京都にある米問屋3軒に卸をしている。3軒ともに農林水産大臣賞をいただいている優秀な問屋である。もちろん品質には非常にうるさい。





  お米は採算が悪いと言われるが、必ずしもそうではないのである。粒がそろって、食味も高く、安全性が確保されれば消費者の二?ズは間違いなくあるのである。阿部さんの所では米不足になるくらい毎年売り切れてしまう。おいしい米に憧れは高いという証明である。



  阿部さんは農業生産法人、板倉農産という会社にしている。この生産法人に外部から研修生を受け入れしている。研修生はいろいろである。農業にまったく関係しない人も数多くいる。農業にはチャンスがたくさんあるというのである。成功する確率は高いと見ているのである。現在、農業で悩んでいる人から見たら不思議な話だと思う。農業ってそんなに良くないよと言いたいところでしょう。このように考える大きな理由のひとつに阿部さんの指導カがあると思う。阿部さんのやっている事に肌で触れると、どうすれば農業で生活していけるようになるかイメージが湧いてくるのだと思う。それから大事な事は慣行農法へ戻っていないという事である。どこを工夫すればいいのか最初から考える。そうするとおもしろくて仕方がないらしい。玄米アミノ酸 液体にも興味津々である。実際に小さな面積で試験してみて驚いている。これは使えるという実感が出るらしい。





農業が好きという人を増やしたい




 土地があるから仕方なく農業をする人と、農業がおもしろいからやってみたいという人の差はとてつもなく大きい。成功する可能性も非常に高い。農業がダメなのではなく、やる人の心が楽しくないのである。これではいい結果が出るはずもない。



  たぶん阿部さんは研修生を受け入れながら研修生に学んでいることは多いはずである。研修生との出会いが毎日の農業をますますおもしろく楽しいものにしている。



  阿部さんが農業している宮城県も、高齢化、農業離れは深刻である。栽培面積は毎年、自然増で増えつづけている。高齢化してできないからやってくれと言うわけである。努力しなくても収量が伸びて、売上毛伸びる。農業を愛する阿部さんはうれしい現象とは思っていない。年をとってもやれるのが農業なのに現実はまったく違う。機械もなく、農薬や化学肥料も高い。栽培履歴というむずかしいものを書けと言われる。高齢者がついていけるわけがないのである。農業が好きという人を増やしたい。この意味で研修生を受け入れ、仲間づくりを進めている。研修生が農業を続けるかどうかは分からないが、農業は楽しいという事を肌で知ってもらえればと思っている。



  阿部さんの夢は買っていただいている消費者を一軒づつ訪ねてみたいというものである。その手始めとしてインターネットでホームページを公開し、ライフピアという通信をしてお客様とコミュニケーションしている。お客様の要望を聞きながら、きめ細かくフォローしていきたいと思っているのである。



  阿部さんとお話をして感心した事はたくさんある。



  第一に生産に対する工夫である。失敗から多くの事を学んで成功している。多くの人は失敗したくないと思って失敗を重ねてしまう。その大きな違いは慣行農法を見直したと言うことである。慣行農法は自然のカを無視している。密植して化学肥料中心では土壌が酸化してカチンカチンに硬くなってしまう。いい米がとれるはずがない。おいしいわけがない。病害虫にも弱いわけである。もう、そろそろ見直しの時がきているような気がする。間違いなく収量だけはできる、の慣行では消費者はついてこない。





  第二に経営である。生産者であると同時に経営者なのだ。確かにお客様をたくさん持つ事は大変だったと思う。しかし利益を考えた場合、直販でなくては経営は成立しない。多くの人はめんどうだし、どうしていいかわからないとあきらめてしまう。この差はどこからでてくるのだろうか。本当においしい米を作るという気持ちの違いだけではないだろうか。心を込める、情熱がある、それが通じる人に食べてほしい。だから直販をするのだと思う。そして経営に直結していく。直販のお客様を増やしていくには作物を育てるような地味な努カがいる。その苦労を嫌と思わずに続ける。毎年、すこしづつ増えていく。今までの直販成功者の例をみると、2000軒〜3000軒の名簿を持てば成功するようである。





  第三に研修生の受け入れ。人に教えるというのは考えている以上に自分の勉強になる。現在は情報化社会だからこれを利用すれば不可能ではない。もちろんその前に教えたいという何かがなくてはいけない。慣行農法では教えるものは何もない。なぜなら化学肥料と機械さえあれば誰でもできるからだ。農業が楽しくなるには自然との対話と工夫の積み重ねがもっとも大切だと思う。それこそ継承していく事ができる無形の財産ではないだろうか。阿部さんはその財産をいくつも持っている、すばらしい方である。






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