栃木県小山市 稲葉高士さん

玄米アミノ酸  栃木県小山市 稲葉高士さん

  悪天候の中でも終わってみれば、昨年同様の収穫ができた









30年ほど前のこと、市街化区域制度とともに農地と住まいすべてを引っ越し。

一からの出直しとなった稲葉さん。ブドウが主カとし、約120アール、梨が約10ア一ル程栽塔している。果樹栽培では四代目。曾おじいさんの代からの老舗である。いまでは有機質を毎年施すことによりブドウや梨の萄木も順調に伸びるようになった土地。移転した当時は荒れ地をブルドーザーで整地したため、土が締まって耕運機も受け付けないほど固く、深層の土が表面を覆ったため草も生えないような土地で草が生えても数センチしか伸びないような荒れ地でのスタートだった。



  茨城県小山市の北に位置し、かつては農村地帯であった果樹園も、今では南は市街化地域で団地まで約1.5kmほどと近くなり、東には工業団地も広がっている。

道路も狭く、車が一台通れるほどの狭い道路を奥に入ったところに、稲葉果樹園はある。





洗濯物が気になる果樹園



 当時、スピードスプレイヤーによる薬剤散布が当たり前だった。年間ブドウで約12回、梨で15回位の散布になる。数年前のこと、無農薬とはいかなくてもそれに近い栽培はできないものかと頭をかかえる事件が起こった。起こしてしまった。

薬剤の散布は朝早く、風のあまり無い静かな時間帯をねらって散布をするように心がけていた。とは言うのは、稲葉さんの果樹園に面して、2件のサラリーマンの家があるからだ。散布時には、前の日、当日の朝早く、洗濯物を干さないうちに電話をしておく。万全の注意をはらって。

しかし、どうしても散布しなくてはならない事態が発生した。梅雨時でなかなか天気に恵まれそうにない。どうしても今日散布しなければ。しかし、共働きのサラリーマンでは、昼間はだれもいるはずはない。連絡のしようもなかった。風もおだやかで心配ないと思い、散布をした。それが大誤算だった。



  その家の近くに住む母親が、それを見ていたのだ。帰ってきた娘さんにその状況を説明したらしい。聞きつけた娘さんがズカズカと怒鳴り込んできた。「洗濯物をどうしてくれるんだ」と。とした。薬剤散布が当たり前になっていた。少しくらい霧が掛かってもあまり気にならなくなっていた。しかし、一般の人たちは違う。霧が掛からなくとも、薬剤を散布していたと言うことだけで、相当気にすることに気づかされた。

気にならなく、慣れきってしまっている自分のほうが、危険なことに気づいた。

これはイカン、私が変わらねば。しかし、無農薬などできるものだろうか? 本当に大丈夫なのだろうか?収穫するまでの作業は、すべてが一年に一度きり。今年よかったから来年も同じとは限らない。一つの作業を完全なものにするには何年もかかる。頭をかかえた。



とにかく。すすめー




 植物が健康に成育できれば、病気や害虫に犯される一」とが少なくなるかもしれない。そう考えた。いいと思えば何でもやった。「植物を超元気にする」というふれこみで売り出されている「HB○○○」とか、知人の肥料店で売られているある種のアミノ酸葉面散布剤。土中には土壌に撒くだけ「ラクトヒロツクス」という「乳酸菌、酵母、等の複合発酵菌剤」等、いろいろ試した。ダニ、アブラムシなどは少なくなり、それなりに果実も良いものができた。しかし今一つ物足りない。さらに、病害虫にはコンフユーザPという性フエロモン剤を使い、殺虫剤をも減らそうと試みたが、大失敗。逆に害虫を呼び込み、被害を拡大させてしまった。どうしよう・。



そんなやさき、1枚のファックスが届いた。そう忘れもしない昨年の2月。玄米アミノ酸と書かれ、聞き慣れない、突然のFAXだった。「3500戸の農家が実証!ほ場から病害虫が消えた!植物が驚くほど元気に!」胡散くさい。あやしいと思った。でも、何となく心ひかれた。





グイっと背中を押された



 本を読んで、これならいけるかなーと思っていた。しかし、決断には勇気がいる。あの失敗が、またおかしくなるのでは?悪いイメージばかりが頭の中をよぎる。なかなか今一歩踏み出すことができなかった。

そんなおり、たまたま経営セミナーがあり参加した。元(株)セブン・イレブン・ジャパン常務取締役の宮川輝男氏の講演だった。演題は「お客様に学ぶ・不況も味方に」。大感動だった。講演後の懇親会でこれからの農叢のあり方をお伺いしたところ、「自分の孫に安心して食べさせられるものを作ることです。」「孫」にという言葉が心に突き刺さった。玄米アミノ酸 液体を使う以外にないと決断させられた。遅まきながら5月末のスタ一トである。



マユツバではなかった



  遅咲きのチャレンジが始まった。化学肥料に関しては、以前から抵抗を感じていたため、葡萄には、油粕・魚粉・カキの殻・聾定した枝をチツプにして1年間ねかせた堆肥くらいしか与えておらず、梨には、梨専用の有機肥料のみ与えている。園内は、草生栽培で年に6回くらい草刈りをし、全く耕起していない。玄米アミノ酸 液体の使用は葉面散布のみ。でもかなりの効果を見ることができた。

梨については、アブラムシやダニの発生が多く、農薬ではなかなか防ぐのが困難だった。繁殖が早く一度発生すると絶滅することはなかなか困難だった。このアブラムシやダニの発生が大変少なくなった。殺虫剤は、5月の後半から、6・7一8・9月の間にカメ虫に対して1回、ダニに対して1回の散布で済んだ。

ヒメシンクィの被害は、昨年からするとはるかに少なかったが、カメムシの被害がけっこう多くて今後の課題である。病気に関しては、今期は雨が多かったせいもあり、いまひとつという感じである。葡萄は、天候がよくなかったが、ベト病がかなり押さえられ、晩腐病も少なかった。着色もよく味もよかった。

しかし、栃木・茨城地域では、梨は豊水に蜜入り果がとても多く、3割から4割も廃棄処分した人がいることを聞いたので、ほとんど出ずにすんだと思う。葡萄も防虫袋を使ったにもかかわらずコナカイガラ虫の被害で、コンテナ一杯の良い果実を取るのに、三杯も廃棄処分したという話を聞くと、ファツクスがとどいたおかげで、初めての資材を使ったにもかわらず、被害もなく、悪天候の中でも終わってみれば、昨年同様の収穫ができたということは、本当におかげさまというほかない。





春がやってくる




 始めはそんな簡単に作物ができるなら苦労などない、マユツバ物と思っていたが、意外や意外、これは使い方次第ですばらしい結果が出せるのでは?とひそかに期待している。昨年は土作りからやったわけではない。でもかなりの効果を見ることができた。

現に梨に関しては、大幅に殺虫剤は減らすことができたし、病気に関しても、土作りをしっかりやり、木自体を健全な物にすれば、病気はかなり少なくなるのではないかと手応えもあった。葡萄でも同じようなことが言えるではないだろうか。

今年はかなりいける、そう感じている。今年の収穫が楽しみである。






稲葉高士さんより



この依頼を受けまして、少々戸惑いを感じております。何しろこのようなことは私に取りまして、後にも先にも初めてのことですので、本当にお受けしてよいものか迷いました。まだ使い初めて1年もたっていないし、十分な裏付けもまだ完全にはできていません。でも、私のやっていることでも、多少なりとも参考になることがあるかもしれませんし、私を書いていただくことによって、自分でやってきたことを見つめ直すい機会にもなるると思いまして、掲載して頂くことにしました。ご感想などお聞かせください。

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