土壌病害は生産者が無意識に作り出してしまっていたなんて信じられますか?
生産者を悩ます土壌病害はなぜ起こるのだろうか。土壌病害は連作障害になり収量は毎年、少しずつ減っていくことになる。農業生産の一番大きな悩みになっている。工業生産にこの悩みはない。
実は農業生産の土壌病害は起こるべくして起こっている。土壌病害になるような慣行農法をやっているのである。えっ!どういうこと……慣行農法のどこが土壌病害になるの……」それをこれからわかりやすく説明する。習慣的に何の疑問も持たずにやっている農作業の中にすでに土壌病害の原因はある。
(1)カルシウム、マグネシウムの過剰
日本の土壌は酸性である。カルシウムとマグネシウムは最初から不足している。不足を補うために投入する。毎作、何年も投入する、そうすると土壌病害は自然に発生するようになる。日本の土の主な成分は珪酸、鉄、アルミニウムである。
この中のアルミニウムは強い毒性を持ち病原菌をやっつける力がある。ところがカルシウムやマグネシウムはアルミニウムと簡単に結合する。結合すると毒性を失ってしまう。結合したカルシウムもマグネシウムも流亡せず土に残る。つまり殺菌力がなくなる。土の中にほどよくアルミニウムがあるうちは土壌病が抑えられる。毎作、何年も入れ続けているとアルミニウムが自然に減少する。減少量があるレベルを超えると一気に病原菌が吹き出てしまう。自然の土壌バランスを崩してしまうのである。石灰を入れるなんて習慣的に何も考えず時期が来ると投入する方が大多数ではないだろうか。だから大多数の方がほ場を土壌病害にしてしまうのである。

(2)リンの過剰
火山灰土の土壌にはリンがない。そこでリン鉱石を海外から輸入して大量に入れた。リンも雨で流亡しない。土壌に残る。リン過剰になると根が傷み始める。病原菌の蝕害である。それを病原菌とは気づかずに肥料不足と判断してしまう。さらに病原菌は繁殖していくことになる。最終段階で病気が表面に出てくる。それから土壌消毒をすることになる。末期症状に土壌消毒をしても大きな効果を期待することは最初から無埋かある。土壌消毒は毎年必要になるが病気が消えることはない。リン過剰が解消されない限り病気は出やすい環境になってしまうのである。
リンは100g中に50mgもあれば充分である。せめて100mg以内には抑えたいものである。これを超えると根が傷み始めて病原菌は増えていくことになる。

(3)カリウムの過剰
カリは植物の体液に吸収される。植物の体液にカリが増え始めるとカビ菌が増殖する。根コブ病はその代表例である。カリ過剰になる理由は意外なところにある。化成肥料を購入する時に必ずカリが入っている。8・8・8とか14・14・14と横並びで同じ分量が入ってしまっている。これに何の疑問も持たずに習慣的に使っていると自然にカリ過剰になる。弁当で言えば幕の内弁当である。食べたくないものまで入ってしまっている。
カリが過剰になると葉の色は濃い緑から汚い黒い色に変わってくる。これは完全なカリ過剰である。

(4)有機堆肥の投入の過剰
堆肥は牛、豚、鶏を飼育している所から処理しきれないほど出てくる。出てくるから使う。ドンドン投入する。そうすると土壌の中で還元状態になる。腐るのである。腐ると悪玉菌が異常な勢いで繁殖する。そこに排水不良になるともう手がつけられない。重症である。有機堆肥が手に入りにくい生産者にはこの病害は少ない。
(5)土壌ペーハーの異常と石灰過剰
土壌のペーハーは6前後が正常である。ところが7を超える土壌も珍しくなくなってきた。石灰の入れすぎである。特に価格が安い酸化カルシウムは異常に多く使われている。いわゆる硝石灰といわれるものである。これは悪玉バクテリアに弱くなる。バレイショのソウカ病などは典型的なものである。

酸化カルシウムは雨で流亡しない。そのために投入するほどペーハーは高くなっていくのである。土壌ペーヤーは測ってみなければわからないものである。見た目には何の変化もないものだから投入することに抵抗がまったくないのである。気がつかないうちに土壌病害を呼び寄せてしまっている。
以上5つの項目について土壌病害の原因を詳しく説明してきた。連作障害を作り出している犯人は生産者自身であった。驚くべき事実である。土壌病害を解決した
いと思うなら土壌消毒は目先の対処法にすぎないのである。根本の問題はカルシウム、マグネシウムの過剰、リン過剰、カリ過剰、有機堆肥過剰、石灰過剰にあつた。ここを見直す必要がある。
改善策は唯一、徹生物の活用しかない。自然のバランスを取り戻してくれるのは微生物だからである。
それ以外はお金がかかる。土の天地返し、土の入れ替え、休耕、いずれも大きな資金を必要としてしまう。
頭の中を切り替えることは簡単ではないかもしれない。土壌病害は一度出てくると毎年深刻になるばかりなのである。収入を増やすためにも微生物を活用するしかないのである。
関連記事
- 水田転作は100万ヘクタールの一大農業に急成長!成功するための条件は何!
- 水耕と土耕の違い
- 春の土壌病害
- 春の病害虫対策
- 施肥の、春夏秋冬
- 冬野菓の栽培のポイント
- 台風後の土壌管理
- 土壌改良剤の種類と特徴
- 緑肥と肥料の特徴
- 肥料の種類 最後の決め手は肥料
- どうすればいい?夏作後の土壌崩壊
- 第一人者永嶋正光さんによる相談会
- 水を与えすぎると根はおぼれる
- 微生物の検定
- 畑の悪者・線虫を追放する方法
- 樹勢を知るには根と葉の糖度を計測する
- 良かれと思った有機物投入が....
- 優秀な育苗土を作る技術を身につける
- 肥料をたくさん入れても効果のない理由
- 収穫後の土壌管理2
- 肥沃な土が白分の庭で作れる!
- 初期育成のカギ
- 作物の情報を読み取れば収量は増える
- 作物のおいしさは微量要素で決まる
- 自然の力を最大限に利用する





メールありがとうございます
生徒さんがぼかしの作り方や使い方を覚えたら、
すばらしい技術になりますね。楽しみです。