冬野菓の栽培のポイント

冬野菓の栽培のポイント

おいしい野菜を作るには 「カリ」成分に注目しよう


 野菜の味を一番知っているのは料理人。それも懐石料理などで高いお金をお客様からいただく人である。そういう料理人たちが同じ言葉を口にするようになっている。冬野菜がおいしくない。特に大根、カブ、ごぼうの根菜類の味が落ちた。これは生産者にはショックだと思う。悪口を言われているような気がしないだろうか。実はこれは大チャンスなのである。

 冬野菜は重量野菜が多い。お金にならない。これが常識だった。ところがお金になるのである。おいしい冬野菜なら高いお金を出してもいいと思っている人達がいるからである。高くてもおいしい冬野菜を求めるマーケットは大きくなりつつあるのである。

 おいしい冬野菜を作るにはどうしたらいいだろうか。その秘密は「カリ」にある。チッソ、リン酸、カリの中のカリである。冬野菜は冬の寒さに耐えて甘味を作る。冬の寒さに耐えるというのはストレスである。植物には人間のように暖をとるコタツがない。冬の寒さをしのぐ何かが必要である。それが「カリ」なのである。

 カリは人間で言えば血液のような役割をする。樹液とともに全身をぐるぐるまわる。血液だから濃すぎてもいけないし、薄すぎてもいけない。薄すぎると栄養欠乏になり、潰すぎると脳卒中になる。つまり血液が詰まってしまう。カリの適度な濃度とは15PPm〜30PPmである。この範囲なら適正といえる。土壌の中のカリ濃度が、この範囲で常に安定していなくてはいけないのである。

 カリの濃度だけではおいしい冬野菜はできない。樹液がきれいである必要がある。土壌からカリ成分を吸収し、体内を回って。いらないものを土壌に返す。この循環が正常に活動していなくてはいけないのである。それには土蛾の膨軟性は不可欠なのである。植物の根がいつもスッキリと呼吸できている状態にしておく必要がある。酸素欠乏状態にしないという事である。

 冬野菜の畑の状態は、カリ不足よりも過剰が多く見受けられる。カリが過剰になるとマグネシウムが吸収できなくなる。マグネシウムは野菜の旨味を作る徹l 要素である。これが吸収できないのでは野菜がおいしくなるはずがない。
カリ成分 15ppm〜30ppm! おいしくなったよ。!! この原因はどうも、動物性肥料の量が多すぎる事にあるようである。京都の野菜作りの傾向がそうだからである。冬野菜で京都と言えば日本一のブランドである。それがおいしくなくなっているのである。

 冬野菜がおいしくないのは動物性肥料の使いすぎだけではない。カリの成分がどこにあるのか知っていますか。表層の土にカリは158mg、地面から 10cm下の土壌になると0.5mg。これが大問題なのである。必要としている所にカリはなく、必要でない所にカリはたくさんある。信じられないでしょうが、こう言うほ場がたくさんある。これでは何の為の施把なのか、さっぱりわからないのである。冬野菜をおいしくなくしているl番の理由である。

 これを修正するのが技術と言えるのである。潜在的な欠乏と過剰を見極める。この問題を解決するのは耕作の方法にある。しかし、その前に土壌の状態をよく知らなくては、やりようがないのである。植物の根に、カリの安定供給がどうすればできるようになるのか。土壌の状態を見極めて対応する必要がある。

 以前に紹介した空き缶を使って、カリウムメーターで計測するのもいい方法だと思う。近くの試験場を利用するのもいいと思う。

 カリの供給を継続的に安定させるには、やはり微生物の働きが一番大きい。綿実力スには適度なカリが含まれている。これで玄米アミノ酸の米ぬかぼかしを作る。これをほ場にすき込みする。米ぬか100kg、玄米アミノ酸粉体3kg、綿実力ス20kg程度で、ぼかしを作るといいと思う。これを10アール 200kgほどすき込みする。おいしい冬野菜ができるはずである。

 この他の冬野菜では、トンネル栽培のレタス、チンゲン菜をあげておこう。最近セン虫害がひどくなっている。その理由はビニールに付いた水滴である。結露する水滴がクセ者なのである。チッソはアンモニアに分解されて硝酸になる。ところが分解が追いつかないと、亜硝酸という毒物になってしまう。一」の原因は有機体肥料の分解が予想以上に進みすぎ、湿度が上昇しすぎて起こる現象である。亜硝酸が土に戻るとセン虫の好環境になる。トンネルでチンゲン菜やレタスを作っている人は、くれぐれも要注意である。





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