行政が大企業の農業参入を積極的に応援を始めた背景とは...

農業 日本の耕作地の30%は耕作放棄地である。その広さは40万ヘクタールになろうという勢いである。しかも平成17年の調査で農業者の平均年令は64.6才。今年は平成22年だから、そのまま推移しているとすると69.6才になる。

これに危機感を感じたのは農協ではない。行政である。行政といっても農水省ではなく地方自治体である。農水省の応援なんか待っていられなくなったのである。そこで始めたのが積極的な企業誘致である。昔は企業誘致と言えば工業だったけれど今は農業まで企業誘致になったのである。大分県で農業参入セミナーを企業向けに開催したところ、なんと60社も集ったというから驚きである。耕作放棄地対策と農業の担い手不足の解決を企業に求めたというのである。



農業 これは世界でも例がないのだそうである。昨年の6月に農地法が改正されて地方自治体は企業に対してアドバイスができるようになったのがきっかけである。



 千葉県の牛久では全農地の1/4がなんと耕作放棄地なのである。市では積極的に企業誘致して大手の量販店が直営農場を作った。出来上がった野菜は規格に合ったものは自分の店で売る。規格外は加工にまわしてカット野菜にする。弁当などの惣菜に使う。さらにダンボールは使わずに自社のコンテナをくり返し使う。市場はもちろん通さない。運送費も自社の配送ついでに運ぶ。これだけやっても4年〜5年は赤字だというのである。



 赤字の理由は高い人件費と設備投資である。農家がどうして成り立つのかと言えば安い人件費と少ない設備投資である。企業が農業に参入して成功するかどうかは未知数である。大きな打撃を受けるのではないかと心配している生産者も多いようである。加えて価格の低迷である。牛久の市長が生産者と話合いをした。牛久の市長いわく「あなた方が耕作放棄地を耕してくれるのならなんの問題はない...」なのである。耕作放棄地は環境破壊であり、財産の持ち腐れであり、食糧自給率の低下の原因でもある。行政としては一刻も早く解決したいのである。



農業 生産者はどのように対応したらよいのだろうか。大企業と競争しても、もちろん勝目はない。大企業と共存できる道を考えるしかないと思う。共存できる道とは土地と労働力を提携して企業の傘下に入る方法もある。



 情報をたくさん持っている大企業に農業を学ぶ方法もある。大企業ができない特殊な品種に限定して栽培する方法もある。はっきりしていることは今までと同じ方法ではダメということである。行政が応援しているということは税金が投入できるということなのである。農業はいろいろな意味で改革される状況であることは間違いないと思う。方向転換が遅くなると、それだけ経営は苦しくなる。


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