機械貧乏なんて、もういらない!

 適度な運動ならストレスの解消になるが、肉体の酷使となると辛く苦しい。いままでの農業はこの辛さとの闘いだった。だからこの苦しみから解放されたいという気持ちは痛いほどわかる。それで体が楽になる機械が発売されたとなると飛びつきたい気持ちもよくわかる。生産効率もあがるし、体も楽になるでしょう。

 普通、設備投資というのは設備をする事で何かの経費が大きく減って採算が見合うものである。10人でやった事が1人で出来るようになった。9人分の人件費が浮いたことになる。100日間もかかっていたものが、たった10日でできるようになった。90日分の生産効率があがったことになる。これを設備投資というのである。




 農業の場合はどうなるのだろうか。確かに大きい面積を所有している生産者は効率がアップするかもしれない。しかし小さい面積しか所有しない生産者は体が楽になっただけである。それだけでも大きな進歩には違いない。しかしコストに見合うのだろうか。




 農業の場合は工業と違い、新しい機械を導入する目的が明確ではないのである。宣伝も「汚れない、きれい、楽」とかおよそ農業生産には関係のないものばかりである。この宣伝文句につられて導入をしたらどうなるだろうか。もちろん機械化貧乏になってしまう。そうならない為にはどうすればいいだろうか。農業の基本をもう一度、思い出して見ることである。農業の基本は土づくりである。土はどうすれば作ることができるだろうか。その為には機械をどう使えばよいだろうか。




 このように考えると購入する機械も機械の使い方も、まるで違ってしまうのである。機械を借りる場合も同じである。




 機械は人間が作るものだから、いろいろな場合が想定されている。相手の要望によっていろいろ工夫ができるのである。それなら要望はしっかり出した方がいいに決っている。




 自分の要望を出さない。この所に大きな問題がある。要望を出さなければスタンダードなものしか来ない。耕作機械・消毒器・葉面散布器すべて同じである。葉面散布でもスプレーする穴の大きさによっていろいろなノズルがある。どの大きさがいいのか。自分で要望を出すのである。それには植物の状態をよく知り好む水の粒度を知る必要がある。




 機械は必要である。しかし、機械にふりまわされてはうまくいかない。投資効率をあげるには農業の基本に戻り、豊かな土づくり、植物が好む環境を整えることができる機械を要望して購入することが大切なのである。


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