基本を知らないと大損をする!

基本を知らないと大損をする!

 第一回は基本を大切にという事を書いた。今回は基本を大切にした場合と、しなかった場合の例をあげてみよう。基本を大切にすると言っても、具体的ではないからよくわからない。基本を大切にしないとどうなるかを話すと、よくわかるようになる。

 例えば、稲田を改造してトマトの施設栽培を始めたとしよう。その結果、葉カビ、うどんこなどの病害が多発した。これは何が間違っているのだろうか。トマトはもともと排水の良い土壌を好む。湿地は栽培地に向いていない。つまり栽培地の選定の間違いである。どんなに上手に栽培しても湿気によるカビ系の病害は避けられない。最初から「病気が出る」と理解をしてやるのなら、まだ対策はある。結果として病気が多発したとしら、対策の立てようはない。

 湿地にトマトを栽培するなんて知識がなさすぎると思われるかもしれない。ところがである。施設では、よくある話なのだ。施設栽培の設備を作る業者は農業をしらない。その業者が施設を作る。しかも建売りをする。それを生産者が買う。土壌がどうなっているのか。排水がどうなっているのか。よく検討もせずに栽培を始める。なかなかうまくいかない。こういう例は少なくないのである。

 基本を知っていれば、このトラブルは簡単に避けられる。まず、栽培する品目を決定する。施設を作る以前に土壌作りをする。土壌分析をする。土壌の膨軟性を高める。排水を考えて設計する。吸気と排気の空気の流れを考える。それから施設を作る。失敗は極単に少なくなる。

 基本を知っていると知らないとでは、すべてに大きな違いが出る。今回は施設を例にとって話をした。この結果を見ていただいて理解できるように、基本を知らないと大損をする。「いや〜失敗してしまった」では、遅いのである。この失敗がすぐに取り戻せるならまだいい。農業生産は、毎年その土壌を利用して収益をあげるのである。毎年、大損をするという事になる。そんなのは誰でもノーサンキューである。

 そうならない為には、基本をしっかり身につける手が重要なのだ。身につけたつもりでは意味がない。反復して何回もやる。ここは少し辛抱が必要である。辛抱しろだけでは辛抱ができない。すぐにいやになってしまう。だから、これを現金に置き換えて見る。基本をしっかりやった場合は、何百万円の収益、いいかげんにやると何百万円の損。さらに具体的に消毒代から作業費までをイメージしてみるといい。数字が具体的に出てくると考えは明らかに変化する。誰だって損はしたくないからだ。これは農業経営だけの話ではない。事業をやる場合も同じである。

 経営の基本を知らない経営者は、一時的に利益が出ても、継続できない。数字が具体的に見えていないのである。基本というのは単純でむずかしくない。
だから軽く見て身につかないのであるでも、利益のすべては基本にしかないのである。





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