資材値上りを転じて福と成す!

農業 もう、あきれ果てるばかりの値上りである。JA全農でも化学肥料の卸価格を12%〜112%の値上げを7月から実施している。引上幅の平均60%の値上げになる。生産者の味方のはずのJA全農ですらこの値上げである。他の資材業者もこの価格をベースに値上げしてくるだろうと思う。すでに値上げはされているかもしれない。
 

 頼みの綱だった中国産の肥料は値上げどころか出荷規制の状況で入手すらできなくなった。ここまで資材に関する材料が値上りすると誰が予想できただろうか。まったく不測の事態である。
 頭の中が真白になってパニックになっている生産者もいることだと思う。非常事態だからこそ、よく考えてほしいのである。これは一時的な問題ではない。これから長期的に続いていく問題である。だから、その場しのぎで問題を解決してはいけないのである。



農業
 環境問題については以前から、いろいろな情報をお伝えしてきている。最初は多少時期が早いと思っていた。最近は環境変化の方が早すぎて、それに人間の思惑が重なり、情報を後追いするまでになってしまった。



 なぜ一時的な現象ではないのかということをもう一度復習してみましょう。



(1)環境問題が加速して穀物が史上最高値

 具体的には水不足、高潮、大雨の被害である。米、小麦、トウモロコシの穀物生産が大幅に減少している。米はメコン川、長江など海岸に近い生産地であるデルタ地帯が高潮の害を受けて生産が大幅に減少している。高潮はサイクロンの嵐によって真水の生産地に塩分が入り込み生産できなくなることである。小麦は干ばつと遅霜で不作になっている。オーストラリアは日照りの年が続き、土地が砂漠化。カリフォルニアも日照り、スペインも同じ、カナダは遅霜にやられて不作である。



農業
 トウモロコシはバイオエタノールによる燃料利用によって高騰している。主にアメリカとブラジルである。反対意見も多いけれどヨーロッパはこの政策を賛成している。中止すると石油がさらに値上りするからである。
 気候変動が激しくなってきて、穀物を増産することは難しくなってきている。気候変動がさらに激しくなることを予測すると価格が値下がりすることは考えられない。



(2)新興国の生活の変化と資源不足

 中国・インド・ブラジル・ロシア・南アフリカ・メキシコの新興国と言われている国は、毎年大きく経済成長している。収入も多くなっている。収入が増えると何をするか。新しい家を作り、家庭電化製品をそろえて自動車を買い、おいしい物を食べ始める。戦後、日本が経過したと同じことが発生する。問題は人口である。6ヶ国の人口を合わせると世界の人口の40%にもなる。これだけの人口が資源を使い始めたらどうなるだろうか。



農業
 地球の資源10万年分をわずか1年で使い切っていると言われている。その速さで化石資源が消費されているのである。石油を始め資源の供給が追いつくことはないのである。
 日本もそうだけれど豊かな生活に目覚めた人が昔に戻ることはできないのである。電気などのエネルギー資源の需要に供給が追いつくことは当分ないのである。
 石油はさらに上昇すると考えていいと思う。



(3)世界の人口はさらに拡大する
農業
 地球の温暖化による環境問題で穀物不足、食料不足になっている。さらに資源を大量消費して資源不足になっている。にもかかわらず世界の人口は爆発的に伸びている。現在が67億人。2050年まで毎年1億人近くの人が増え続けると予測されている。最終的に100億人近くなって、人口増は止まると言われている。増えた人数分だけ食糧も必要になり資源も使われる。



農業
 お金に物を言わせて好きな物を好きなだけ買って何の考えもなしに物を消費するという時代は完全に終ったのである。もうやりたくてもできないのである。
 資材の値上りはこれから先、どこまでいくのか誰も予測がつかない。農業資材は今年の秋に値上りをしたら落ち着くのではないのである。いつまた値上りをするかわからない。「脅すのか!」脅しているわけではない。時代は180度転回したのである。時代は変化しても人間の頭の中は簡単に変化できない。昔のままである。そう思って農業をすると利益どころではない。赤字のたれ流しになる。



農業
 「だって生産物だって値上りするから心配ないよ…」それはそうならない。すでに漁業の生産者が教えてくれている。
 市場は実に不便なものになりつつある。需要と供給の量だけで価格が決定する。質は関係ない。生産者の経費も関係がない。右肩上りに需要が増えた時こそ機能するのが市場である。買い手がつかなければ値はつかないのである。悪い情報ばっかりと思うでしょう。ところがチャンスなのである。人間は追いつめられないと本当の力が出ない。どうすれば最小限の資材で最大の効率を上げることができるのか。ようやく農業を根本から見直しができる時期が来たのである。災いは転じれば福となる。どんなピンチにでも光明はある。それを実現するのが人間の知恵である。





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