被害の一番多いカビはどうすればいいの…?
農業にとって病虫害は職業病みたいなものである。やっていくほど危険は高まる。そうは言っても職業病とは違う。ウイルスにしてもバクテリアにしても今回のテーマである糸状菌・カビにしても高等動物ではない。原始的な下等生物である。その下等生物が荒れ狂って大繁殖するのには条件が必要である。不完全な条件では活躍できないのである。
この条件を作っているのは誰かというと万物の霊長である偉い人間様である。「そんな条件を作った覚えはない。」たぶんそうでしょう。ウイルスやバクテリア・糸状菌の事は何も知らないわけだから知らないうちに条件を作り出し、毎年その条件は完成度を高めていっている事に気がつかない。重要な事は相手を知ることである。

今回のテーマはカビ(糸状菌)である。病虫害の中でもカビによるものがもっとも種類が多く、被害も多様に出てくる。うどん粉・灰色カビ・葉カビ・土壌病ではネコブ・モンパなどである。この病害を経験していない生産者はいるだろうか。限りなく100%に近い生産者が被害を受けていると思う。
その中でも病気を出してしまう人と未然に防止できる人がいる。この違いは大きい。どこに差があるのだろうか。カビの性質を知っているか、いないかの違いである。
病気を出してしまう生産者は葉にカビがついた時に病気になったと確認する。これは大間違いなのである。カビが葉に出現するのは次の世代を残すための最終段階なのである。最初ではなく最後なのである。
葉や根にどうしてカビが発生するのか。理由は単純である。植物が光合成で作った栄養分の分け前をもらいにくる。カビは光合成ができない。栄養を作れないのである。

カビはどのようにして植物の中へ入り込むのか。カビは胞子で繁殖する。植物に取りついて胞子を発生させる。細胞分裂を始める。付着器を作り植物の体内に嵌入する。硬い表皮をつき抜けてやわらかい内側に入り込む。やわらかい内側に入り込むことに成功すると爆発的に細胞分裂を始めて増殖する。葉に異変が出始める。葉の色が抜ける。葉の色が茶色になる。根は白くなる。最後にカビは自分の子孫を残すために葉の表面に「胞子のう」といわれる袋を作り、これを飛ばして新たに発芽させる。
カビが葉の表面に出てくる時は最終段階なのである。ここをよく把握してほしいのである。これはカビの種類に関係なく同じパターンである。カビは4000種類とも言われ、カビを特定すること自体に意味はない。

カビが出やすい環境というのがある。(1)圧倒的に天気である。雨の多い年、日照が不足して曇が多い年はカビが出る。長期予報は非常に大切になるのである。カビ対策をするにはまず天候の読みから始まる。(2)排水不良、これは誰でもわかる。(3)下葉が繁っていて通気が悪い。?根っこのカビは通気が悪く酸素不足。(4)水分の与え方。水分量が多すぎる。散水する時の水の粒子が粗く大きい。(5)未熟堆肥の入れすぎ。
カビは下等な生物だから条件がしっかり整備されないと発生できないのである。人間の方が注意をして発生する条件を消してやればカビは出てこられない。
カビが原因による病気は、立ち枯れ、尻腐れ、モンパ、ネコブ、バカ苗、葉カビ全般 数えあげたらキリがない。果樹のモンパなどは深刻な問題である。トマトの下葉欠きなどもわかっているけど手がまわらないこともあると思う。

カビ対策であるが、何よりも有効なのが「予防」である。出てからの治療はイタチごっこになってしまう。カビを生理活性して抵抗力の強いものに変化させてしまう危険もある。
ダコニールやボルドーの予防はとにかく早めに実施するのがもっとも効果的である。モンパ・ネコブの土壌カビは収穫後に玄米アミノ酸ぼかしプラス天然ミネラル鉱石で対応する。土の中の条件が変化すればカビは勢力を伸ばすことができない。これも予防である。
カビはウイルスやバクテリアと違って植物全体がやられることはない。繁殖しやすい所にだけ出てくる。モンパもネコブも最初は一部だけに出る。もっとも大切なのは観察眼である。何度も言うけれどカビは脳をもっていて知恵があるわけではない。出てくるパターンは決まっているのである。人間の方で条件を変化させなければ毎年カビ病が出てきてしまう。これを消毒しているようではまったく利益が出なくなるのも当然である。

条件を変えるというのは手間のかかることである。カビ病を出さず、上手に封じることができた人は大変だったけど後の事を考えると予防や対策を事前にできた人である。条件を変えれば被害を防ぐことはできるわけだから大変でもやってみてはどうだろうか。
一度、やり方を覚えてしまうと、それを何回もくり返せばいいわけである。もうカビは恐くなくなる。これがカビ対策の基本である。カビは表面に出てからでは手遅れである。予防対策しか方法はない。見えない世界だからイメージトレーニングをくり返し行って適切な時期に適切な対策を取るようにしよう。
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メールありがとうございます
生徒さんがぼかしの作り方や使い方を覚えたら、
すばらしい技術になりますね。楽しみです。