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場のぼかし活用法


 冬場のぼかしが作りづらいという問合せがよく来る。実は作りにくいのではなく、作りやすいのである。お酒を仕込んで新酒ができるのは、年末から正月にかけて出来上がる。夏場にお酒を仕込む事がない。湿度が高すぎるからである。

 お酒とぼかしは違うというかもしれないが、醗酵させる基本は同じである。醗酵の時期からすると夏場よりも冬場の方が良質のものが出来上がる。良質のものを作るには条件が必要である。例えば漬物を考えてほしい。おいしい漬物ができるのは冬場である。しかも冷たい風が吹く納屋のようなところで作られる。乳酸菌は、このような状態でもっとも活躍する。乳酸菌が増えると漬物はおいしくなる。



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 ぼかしを作る場合の理想は40℃ぐらいのむろ(室)作り、この中で醗酵させたら、もうバッチリ上手に出来る。よく干柿を作る時に柿の皮をむいて、室内を40℃ぐらいまで暖を取ってあたためる。柿の酵素を醗酵して糖に変化させる一番良い方法だからである。



 ぼかしを作る一番良い条件は、冷たい風が通らずに暖が取れる場所である。この条件を参考にして場所選びをすると、ぼかしは作りやすくなる。


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 ぼかしを作るポイントは夏でも冬でも同じである。とにかく最初がポイントである。スタートがすべてである。菌が働くことのできる40℃を目標に暖を取る。ぬるま湯を使うのも、湯タンポを入れるのも、そのためである。



 一度、湿度がグーンと上がってしまうと微生物のパワーで勝手に熱が出てくるから、それからは難しくなくなる。後は水分調整だけである。ここは少し面倒だけれど、冬場は乾燥するので、毎日少しずつ水分補給の必要がある。冬場に水分を加えると、その後は見事に熱が出る。



 50℃以上にならない、と心配する方もいるが、実は50℃以内で醗酵すると最もいいぼかしになる。ぼかしの温度は45℃〜50℃で安定すると、微生物がもっとも繁殖しやすい条件が整うのである。



 ぼかし作りは慣れてしまえば、実に簡単である。同じ事を繰り返せばいいわけだが、やっていくと、手間もかからない事がわかってくる。ほとんどの事は微生物がやってくれる。仕込みの時に少し大変な程度である。



◎冬場のぼかしの使い方
?吸収根毛に使う
 ぼかしのもっとも効率的な使い方は吸収根毛を利用することである。植物は栄養を求めて根を張っていく。真下に根を張るという事はない。栄養分は地表面20cm〜30cmに集中している事は生理的に知っている。根はもちろん横に張っていく。根を張った先から横に根を広げて、養分を吸収して太い根に集める。太い根は、それをエネルギーにさらに根を先に伸ばしていく。



 「そんなこと、アッタリ前じゃないか。」この、あまりにもアッタリ前の事をみんな知らないのである。ぼかしは根の一番先を少し切るようにして、やわらかく耕してあげながら与えていく。



 一番先を少し切ってあげると新しく強い根が出てくる。そこが耕されて栄養が豊富であれば、自然に根の張りが更によくなり、樹勢は強くなっていく。根のまわりに微生物は自然に多くなる。善玉菌も多くなる。病気も少なくなる。花芽も多くなる。実もついて、大きくなり形も良くなる。



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 果樹や果采類のように横に根を張って樹を支えるものは、この方法がベストである。冬場は施設でナス・トマト・キューリなどを栽培すると思うが、マルチは、この意味でも自然の理に一致していない。根が張れない状態にしてしまうので、後半戦が弱くなって病気になるのは、不思議なことではない。



 果樹も園地すべての土を活性する必要はない。根が栄養分を吸収するところだけが、栄養が豊富でやわらかければ良いわけである。



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?葉物・根采は種、苗を定植する畝を中心にぼかしを活用する
 これは実行している人も多いと思う。畑の全部にぼかしを入れると一番いいわけだが、それでは非効率的になる。根の張っていくところを中心にぼかしを与える。葉物や根采が根を張る範囲は最初からわかっているので、根圏を中心にぼかしを入れるのである。



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?土壌改良
 土壌改良に使いたい場合は土壌改良剤にぼかしを混ぜて使う。定植が間近な時は、ぼかしが8割に対し改良剤が2割。時間があって長期に改良したい場合には、改良剤8割に対し、ぼかしが2割。
少しでもぼかしが入ることによって改良効果は飛躍的に高まる。土壌中が微生物の巣になって、繁殖が活発になるのである。



ぼかしの効果的な使い方を三つほど上げたけれども、この他にも応用範囲は幅広くある。ニュースレターでは時々紹介しているので、参考にしてほしい。



 ほんとうの効果はやってみないとわからない。リスクがあると思ったら、最初は少しずつテストしてみて、その結果を見て広げていってほしいと思う。





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